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森のギャラリー2024 閉幕

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北海道中川町

6月22日(土)〜23日(日)にかけて、北海道大学中川研究林詰所に面した見本林を舞台に、3年ぶりとなる森のギャラリーが開催されました。

■3年に一度の開催
新型コロナウイルスがまん延し、日本中でイベントが中止され、「不要不急の外出」が自粛されていた2021年。これまでアートandクラフトイベントとして回を重ねていた森のギャラリー実行委員会の関係者たちは、文化や芸術、手工芸などは、「不要不急のものなのか」という自問自答を繰り返していました。
また、実行委員にとっては、開催のために日々の糧を得るための製作時間を犠牲にせざるを得ず、負担も大きかったことから、イベントそのものが存続の危機に瀕していました。

■原点回帰
現代では、便利で安価な製品が簡単に手に入ります。その中には、性能も品質も良く、公正な流通によって私たちの手元に届けられる製品がある一方で、遠い国の誰かが、劣悪な環境で不当に搾取された結果として安価になった製品や、人間には都合が良くても、環境破壊を伴う製品や使い終わった後地球に還らず、長くごみになってしまう製品もあります。
森のギャラリーは、このような問題意識をもった手仕事の作り手たちが、自然に還る素材でものづくりをすること、顔の見える公正で公平な取引をすること、手仕事の価値を共有するため、文化的な事業を根気強く、繰り返し行うことを目的に始めたイベントです。
ですから、存続が危ぶまれる状況であったからこそ、原点に立ち返り、根気強く継続するために3年に一度の開催と決めました。

■分かち合う収穫
森のギャラリーは初めて開催した2015年から、必ずその回のテーマを決めています。
3年に一度の開催を決めた2021年は「喜びを耕す」2022年は「種をまく」、2023年は「開花・結実」、そして今回2024年が「分かち合う収穫」でした。
「文化」を意味する“culture”と「耕す」を意味する“cultivate”は、「どちらも大地を耕す」を意味するラテン語の“colore”をルーツに持つ言葉だという説があります。
「心を耕す」ことが豊かな文化を生み育てるのだと信じて、テーマに沿った準備を進め、今年森のギャラリーに関わったすべての方々と収穫を分かち合うための様々な企画を考えました。

■ボランティアスタッフの募集と小径づくり体験
今回、森のギャラリーを開催するにあたり、インターネットを用いたボランティアスタッフの募集と小径づくり体験参加者の募集を行いました。
森のギャラリーに限らず、イベントの担い手が減少し、イベント運営に関わることに大きな負担感や義務感を感じている人は少なくない気がします。しかし、本来、自分たちが何かの目的を持って、仲間たちとイベント運営を行うことは達成感や充実感が得られることだと思います。ですから、今回の森のギャラリーでは、運営に携わる人ほど楽しめる企画を目指し、その楽しさをボランティアスタッフの皆さんと分け合うことを意識しました。ボランティアスタッフとして、町内の方はもちろん、最も遠いところで京都府からの参加があり、弟子屈町や旭川市などから9名の参加がありました。
また、経験として、森にチップを敷いたり、森と小径の境界に枝を敷いたりする小径づくりは、充実感の得やすい体験です。今回は、これまで実行委員会が中川町林業青年部(部長今野大樹氏)や北海道大学中川研究林の協力を得て実施していた小径づくりの参加者を、インターネットを通じて町内外から募りました。終了後には焚火を囲みながらお茶やコーヒーを飲み、交流を楽しむことで、単なる作業に終わらない機会としました。
長年かけて整備してきた森のギャラリー会場は、展示がなくても心地よい空間になっており、イベント終了後も幼児センターの子どもたちが足を運んでくれています。

■イベントを終えて
森のギャラリー2024は、全道各地の手仕事作家が森のなかで作品を展示する「森のクラフト」。自然由来の原料でつくられた飲食や雑貨、作品の購入や、体験が楽しめる「森のマーケット」。中川町公式イメージソングを歌うchimaさんによるライブ「森のコンサート」。NCC(ナカガワサイクリングクラブ 代表加藤正美氏)と豊富町在住のヨガ講師中島まなみさんが提供した「森のヨガと自転車さんぽ」。なおバーとの連携企画で構成しました。
2日間にわたり、大変多くの方に来場いただき、3年を待たずに開催してほしいとの声を多数いただいきました。このような声を大変うれしく思う一方で、やはりより良い運営を目指して、次回は2027年の開催となります。ただ、小径づくり体験や焚火交流会など、開催年以外も森のギャラリー会場を舞台とした企画を開催する予定です。新聞折込やIP告知端末、SNS等でお知らせしますので、興味のある方はぜひご参加ください。
ボランティアスタッフをはじめ、ご協力いただいた多くの方々に感謝申し上げます。3年後にお会いしましょう。

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