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なかさつない 美しい村連合通信(vol.21)

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北海道中札内村

■小樽運河に、村の景観と耕地防風林の未来を想う。

広報6月号『特集 美しい村・中札内の景観』でもお知らせしましたが、昨年実施した村民アンケートによると「保全したい景観」の第1位は「防風林」でした。
防風林の歴史は北海道の開拓の時代から始まります。開墾した畑を風害から守るため、各地で積極的に整備されていきました。広大な大地に整然と並ぶ防風林の姿は十勝の農村景観の魅力を引き立たせており、中札内村が「日本で最も美しい村」連合の審査を受けた際にも高く評価されています。
しかし現在、日陰による生育不良、枝払い等の管理負担の問題などにより、耕地防風林の伐採が進んでいるのです。
話は変わりますが、観光名所として有名な小樽運河が消滅の危機にあったことをご存知でしょうか。
海運業で栄えていた小樽市は運河を活用して各地へ物資を運んでいましたが、自動車の発展等により、その使用機会は激減しました。そして昭和41年、経済が衰退しつつあった小樽市は、運河を全て埋め立てて大型道路を建設する都市計画を決定したのです。
そこで立ち上がったのは小樽市民でした。「小樽運河を守る会」が発足し、十数年に及ぶ論争の末、ついに運河としての形を残すことになったのです。
その後、運河や周辺の石造りの倉庫群を中心として観光を推進し、皆さんご存知のとおり北海道を代表する観光地となりました。元は交通路に過ぎなかったものが、その価値を改めて見い出したことで、まちの発展に大きく貢献することとなったのです。
さて話を戻しますと、耕地防風林は当初の目的であった農作物の生産性向上に役立つだけでなく、今では訪れる人々を魅了する、村の美しい景観形成にも欠かせないものとなっています。
村としても、村民アンケート等で存続の要望が多くあるため、保存を推進していきたいと考えています。ただし、小樽の事例とは異なり、耕地防風林は個人の所有物であるため、村民の皆さんの考え方や行動が、より大きな影響力を持つでしょう。
景観のために利便性や生産性を全て犠牲にするというわけではありません。実は、小樽運河も完全に姿を残しているわけではなく、保存派と埋立推進派で折り合いを付けた結果、運河の一部は埋め立てられているのです。
今後、村の価値を高めていくために防風林をどのように保全していくべきなのか。様々な声を聴きながら、模索していきます。

お問い合わせ:総務課企画財政グループ
【電話】67-2491

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