今月の担当は齋藤助産師
今回は、更年期女性の健康についてのお話です。更年期に入ると女性ホルモンのエストロゲンが徐々に減少していきます。
◆エストロゲンが減少すると骨粗しょう症になりやすい
骨粗しょう症とは、骨強度が減少し骨折の危険性が高まった状態のことをいいます。
卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンは、骨の代謝に影響を及ぼし骨量を増やすことが知られています。エストロゲンといえば生殖に関係しているイメージがあると思います。骨と関連していることを意外に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
女性の生涯における骨量の変化は、成長期に増加して30歳ころにピークを迎え、その後は低下します。古い骨を溶かして新しい骨をつくるバランスのとれた骨代謝にはエストロゲンが深く関係しており、エストロゲンが低下する閉経後には骨量も急激に低下して骨粗しょう症のリスクが高くなります。
◆骨折することが生活の質の低下につながり危険
高齢者で骨折が起こると寝たきりになることが多く、入院期間が長くなると認知機能の衰えが加速することにつながります。
また全身の骨密度の低下が進むと、あごの骨密度も低下します。歯を支えている歯槽骨がもろくなっていきます。そうすると噛む力が低下して栄養状態にも影響を及ぼします。
◆骨粗しょう症は治療できる
骨粗しょう症は治療できます。骨密度が低くても手遅れではありません。骨折が起きてからでは治療も大変ですし、生活の質も大きく低下します。そうなる前に、骨の強度を上げておくことが大切です。
残念ながら閉経後は、運動や食事だけでは骨の強度を大きく上げることができません。何歳でも遅すぎることはありません。健康寿命のために、まず骨密度を検査しましょう。そして必要なら早めに受診し治療を開始することが大切です。
◆骨の健康チェック
・牛乳、乳製品をあまりとらない
・小魚、豆類をあまりとらない
・煙草を吸う
・お酒はよく飲むほうだ
・天気の良い日でも、あまり外に出ない
・体を動かすことは少ない
・最近、背が縮んだような気がする
・ちょっとしたことで骨折した
・体格はどちらかといえば細身だ
・家族に「骨粗しょう症」と診断された人がいる
・糖尿病や、消化管の手術を受けたことがある
・(女性)閉経を迎えた(男性)70歳以上である
骨粗鬆症財団ホームページより
4月に行われる骨粗しょう症検診をみんなで受けて、ご自身の骨の状態を知るところから始めましょう!
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