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ふるさと探訪

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北海道倶知安町

■ブルーメタリックな毒虫 494回
春か秋、山を歩いていると青い金属光沢をもった昆虫を目にしたことはないでしょうか。ツチハンミョウと呼ばれるコウチュウの仲間で、体長2センチほど、腹部が非常に大きいため飛べない、ずんぐりむっくりした体型の昆虫です。
ツチハンミョウは体内にカンタリジンという毒成分を含み、皮膚に触れると水ぶくれや痛みを生じます。刺激を受けると体を丸め、脚の関節からオレンジ色の液を出すことが多いため、触らないよう注意が必要です。
さらに、生態はもっと変わっています。ツチハンミョウの幼虫はマルハナバチ類の巣に寄生して育ちますが、そこにたどり着くまでは運任せ。メスの産み落とした数千個の卵から生まれた幼虫は孵化(ふか)してすぐに植物の花や葉先に集まり、何かしらの生き物がやってくるのを待ちます。やってきた生き物が目的の虫であれば晴れてエサに在り付けますが、そうでなければ命尽きることになります。産み落とされる卵の数が、昆虫の中でも桁外れに多いのはこのためと考えられています。
そんな暮らしのツチハンミョウ、出会えた偶然にうれしくなります。
文:小田桐亮(倶知安風土館学芸員)

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