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【特集】止まらぬ人口減少。函館は、消滅するのか―消えて、たまるか。(2)

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北海道函館市 クリエイティブ・コモンズ

■子育てする場所がある
函館市では、子育てサロンを通じて子育てしやすい環境を整え、地域への愛着を育むことで、人口流出の防止に繋げようとしています。

人口減少対策の一環として函館市では「子育てサロン」などの子育て支援事業に力を入れています。サロンは0歳から6歳までの子育て世帯や妊婦を対象に、市内13か所で展開しており、子どもたちが遊んでいる姿を見守りながら、保護者同士や職員と日常の育児に関する悩みや困りごとを相談したり、育児情報の交換ができます。
実際に利用された保護者からは「乳幼児健診でこのサロンを知り、育児の合間に週に数回利用している」といった声や育児中のストレスを軽減する場としても評価されており、保護者同士での自由な交流、制作活動、育児や普段の生活に役立つ講演会を通してリフレッシュできる機会となっています。
ここ函館短期大学内のサロンでは、学生たちが地域の子育て支援に関わっています。地域とのつながりを感じた学生が、地元で働くことや定住を考えるきっかけとなり、地域の活性化に寄与することが期待されています。
函館市は子育てサロンなどを通じて、子育てしやすい環境を整え、市民が安心して暮らせるまちづくりを推進しており、子育て世帯が地域と触れ合いながらまちへの愛着や関心を高めることで人口流出の防止に繋がると考えています。

◇土田さん親子
「近くにサロンがあるから助かります!」
二人でずっと家にいると息が詰まってしまうので、家の近くにこのような場所があるのはとても助かりますし、仲のよいお友達もできました。

◇藤原さん親子
「週に2、3回は通っています!」
同年代の子どもたちと遊ばせる機会を持て、他の子どもとおもちゃを譲り合ったり、野菜を収穫したり、自宅ではできない経験をさせてもらっています。夏は熱中症の心配があるので、涼しい子育てサロンを利用しています。

◇(市の事業)子ども・教育への支援
妊娠出産から子育てまで切れ目のない相談・支援と心身・経済的負担の軽減のため、認可保育施設における「第2子以降保育料の完全無償化」「新小学1年生一人につき10万円の入学祝金の給付」「病児保育事業」などを実施。また、妊産婦・子育て世帯・子どもに関する相談対応を行う「子ども家庭センター」の開設やスマホアプリを活用したサービス、「公立はこだて未来大学の入学金や授業料の完全無償化」も行っています。

■いつかまた、帰る日まで。
大学進学を機に函館を離れて関東に移った3人。函館市では若年層の転出超過が課題となっています。この春大学を卒業した若者たちは、どのような道に進んだのでしょうか。3人のひとり、坂下さん(本紙写真…中)にお話を伺いました。

大学進学を機に函館を離れ、札幌で働く坂下桃妃さん。「函館は歴史や文化があって、唯一無二の魅力を持つまち。そんな場所に生まれ育ったことに誇りを持っています」と語る坂下さんの心の中には、ふるさと函館が残っています。周囲から「函館って素敵な街だね」「観光で有名だよね」と言われるたび、その誇りを強く感じたといいます。
そんな誇りを持つ函館。しかし、地元を離れて働くことになったのは、「収入面や他の場所で新しい挑戦をしようと思ったから」と話します。
一方、「函館を離れても、地元のためにできることはたくさんある」と考え、地域貢献に詳しい人に相談したところ、「SNSの発信が一番」とのこと。そこで函館出身の友人2人と一緒にInstagramを活用し、函館の魅力を広く発信する活動を始めました。飲食店や観光スポットの紹介だけでなく、地元の方言や音楽、歴史など幅広く発信し、フォロワーは5千人を超えています。
「函館は、自分たちにとって大切な場所で、ずっと変わらず続いていってほしい」とよく3人で話すそうです。今後もこれまで紹介してきた店舗やスポットをまとめたマップを作成したり、函館に関するイベントを企画するなど、新しい挑戦にも意欲的です。
「函館の活気を維持するために、自分ができることなら何でも挑戦したい。これからもSNSを通じて、函館の素晴らしさを発信していくことで、一度離れた若者が帰りたくなる話題性のあるまちになってほしい」と語る坂下さんは地元愛が溢れています。
函館を離れてもなおふるさとを大切に思い、その魅力を発信し続ける若者たちの存在が、これからの函館市の未来にとって大きな力となるかもしれません。

◇坂下桃妃(ももか)さん(22)
大都会東京とのギャップやコロナ禍による観光客の減少を目の当たりにし、私たち自身で函館のために何かしたいねと話すようになりInstagram「函館爛漫(はこだてらんまん)」を始めました。ぜひフォローをお願いします!

■Check!
函館市は、ふるさと納税に全力で取り組んでいます。

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