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令和6年度 町政執行方針(1)

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北海道利尻富士町

未来を切り開くための新たなスタート

令和六年利尻富士町議会定例会三月会議の開催にあたり、町政執行に臨む私の所信と施策の基本的な方針を申し述べます。
はじめに、去る一月一日に発生した令和六年能登半島地震では甚大な被害が生じました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
コロナ禍も一応の収束を見て、これからの利尻富士町の未来を切り開いていくための新たなスタートとしての一歩を踏み出す年と位置付け町政を推進してまいります。
また、利尻・礼文・サロベツ国立公園指定五十周年を迎えることから、これを契機に改めて国立公園の素晴らしい自然環境の価値を再認識してもらうとともに、次世代に引き継いでいくべく魅力を発信してまいります。
さて、私の三期目の任期も折り返しの年度を迎えますが、町長に就任してから一貫して申し上げている五つの政策方針を更に充実し結実させるため、今議会に関連する令和五年度各会計補正予算、令和六年度各会計予算を編成し、各条例の制定や一部改正などを提案しておりますが、「利尻富士町まちづくり創造総合計画」に掲げる将来像の実現に向け、まちの様々な課題に全力を傾注して、町政を執行してまいりますので、議員各位、並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

■一.魅力ある観光と漁業の推進
本町の基幹産業である水産業の状況についてですが、昨年の利尻漁協における町内の漁業生産額は十九億七千八百万円と、昨年より一億六千五百万円増額となり、平成二十年に利尻漁協が誕生以来、平成三十年に次ぐ二番目の生産額となりました。
昨今の水産業は燃油・資材価格の高騰や海洋環境の変化による水産資源の減少や変動に加え、ALPS処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物禁輸措置など、多くの難題を抱えております。
本町においても昨年は天然昆布やタコなどの生産高が伸びた半面、サケの来遊は減少し、養殖昆布もヒドロゾアの早期付着により減産を余儀なくされるなど、海洋環境の変化に大きく影響を受けており、ナマコについても現状では禁輸措置の大きな影響は無いものの市場の動向を注視する必要を感じており、安定して漁業生産できる浜づくりを目指すためにも、つくり育てる漁業を推進し、将来を担う若者にとって漁業が魅力ある産業となるよう、国や北海道など関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
水産振興の取り組みでございますが、まずは担い手対策として新たに二名の漁業後継者に対し磯船を贈呈する予定となっています。
また、離島漁業再生支援交付金や特定有人国境離島漁村支援交付金事業の実施により漁場の生産力向上や起業・雇用拡大の取り組みを進めるとともに、輸送費支援にも取り組んでまいります。
また、本町独自の取り組みであるリシリコンブ株主事業やブルーカーボン事業の実施により、利尻島の魅力を発信し、付加価値向上や養殖業の持続的な発展を支援してまいります。北海道が行う水産基盤整備事業では、富士岬沖及び鬼脇沖に魚礁設置と清川地先への囲い礁整備工事を継続し、海岸事業では流木等漂着物の処理を継続し実施してまいります。
港湾関係では、国直轄事業として鴛泊港鬼脇港区の南防波堤とマイナス二・○m物揚場の改良工事を継続するほか、港湾管理者としても、鴛泊港本港と鬼脇港区の維持補修工事を実施するとともに、港湾の長期構想策定に向けた検討も進めてまいります。
次に観光業についてですが、昨年は新型コロナウイルス感染症の五類移行を契機に、徐々に国内外から観光客が戻りつつあることを実感できる一年となりました。
令和五年度上期における観光客の入込数は九万七千人、宿泊客延数は五万五千人と昨年より約二割増加しているものの、コロナ禍前との比較では八割程度の回復にとどまっております。
観光業全体を見ますと、人手不足、個人旅行の増加により夕食がとれない、交通アクセスの問題など様々な課題を抱えておりますが、それは本町のみならず近隣市町と共通の課題であるため、「きた・北海道DMO」を中心に、持続可能な観光地域づくりを推進するため、各地の観光協会や商工会・交通事業者等と連携し、課題解決に取り組んでまいります。
観光業の取り組みでございますが、滞在型観光推進のためスタンプラリー「利尻クエスト」の継続、第五十回と節目の大会となる北海島まつりの開催、利尻礼文サロベツ国立公園指定五十周年事業の実施、インバウンド受け入れ環境整備のためのWi―fi環境強化、利尻島の食と観光をPRするためイオン北海道(株)との更なる連携など、交流人口の増加と観光消費額の拡大を目指し取り組んでまいります。
また、利尻富士温泉保養施設については、新規発行される紙幣及びキャッシュレス対応可能な券売機を導入するとともに、令和五年度に実施設計を行った施設改修についても今年度から二ヵ年で改修を進めてまいります。
鬼脇地区においては、昨年整備した二石海岸公園入口に案内板を設置いたします。
商工業については、町内経済活性化のため地域振興商品券事業の継続、商工会の運営に対する補助、事業者のキャッシュレス決済導入等DX化の推進、事業継続や経営環境改善のための融資制度に伴う利子補給など、積極的に取り組んでまいります。

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