■単純(たんじゅん)でない話(はなし)
道外では花粉症や早咲きのサクラの話も耳にするようになりました(2/14現在)
そうそう花粉症。まだ雪に閉ざされた北海道ですがバレンタインの時期からアレルギーの患者さんが訪れます。
「おいおい先生よ、北海道には杉はないし野山には雪がたっぷりで植物の活動もまだなんじゃないの?」そうです。その通りなんですが何故か本当に来ちゃうんです。
これはあくまでも僕個人の推測ですが中国の黄砂も風に乗って北海道を黄色くしますしPM2.5なるものも飛散情報などがあります。大陸より近い日本各地からの花粉も北海道に到達してもおかしくない筈です。その通り!
調べてくれた方が居ました。ただし調査によると到達量は道外の1%程度です。
(函館は10~20%でした)そんな濃度でアレルギーが起こるだろうか?人によるでしょうし多くなる時もあるでしょう。
もう少し視野を拡げますと白樺(カバノキ科ハンノキ属)も花粉症を起こします。
花粉飛散は3月中旬からとありますが場所によったりその時の天候により2月ごろから飛散するカバノキもあるでしょう。まあ原因が何にしろ対処は必要です。
花粉症の対策と言えばマスクです。悪さばかりしたコロナですがひとつ良い事はマスクの着用率をアップさせた事です。厚労省の調査ではマスク着用により吸引する花粉量を三分の一から六分の一に減らす効果があり症状軽減が期待されます。また眼鏡は目に入る花粉を二分の一から三分の一に減らすそうです。ただし眼症状の軽減に効果があるかはわかっていないそうです。
前述しましたがどの程度の花粉量でアレルギー症状が出現するかは患者さん次第なので判断が難しい所です。
難しく言えば症状発現の閾値の問題です。どの程度の量なのかという話です。
そうそう閾値。
最近診察室でもよくお話しますし以前この欄でも紹介しました「イキチ」です。
慢性疼痛など持続する症状にどのように対応するかのお話でした。症状の有る無しではなくそれがどの程度であるかが重要です。患者さんの心理としては痛みなんかはゼロにしたいというのはわかりますが、日常生活に支障のない程度の症状に対して延々と治療を継続するのは身体にもお財布にもダメージがあります。
道外の1%の花粉量でもアレルギー症状が出る場合もあるでしょうし30%の痛みがあったとしても日常生活に支障がない場合もあります。
なんでも単純に有る無し、ハイイイエだけでは片付けてはいけないようです。程度です、レベルです、イキチです。
困りごとで医療機関に行かれる場合はそれなりの症状なのでしょう。遠慮なくご相談下さい。
その際にはその症状がどれほど自分の毎日の生活に支障を来しているか確認しておいてください。
◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
3月6日(水)は午後1時30分より浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。
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