こんにちは 保健師です

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■冬にかかりやすい感染症
●ノロウイルス
感染性胃腸炎や食中毒の原因となるウイルスで、一年を通して発生していますが、特に11月から2月に流行がみられます。感染力が非常に強く、集団感染が起きやすいことが特徴です。ノロウイルスは手指や食品などを介して経口で感染し、腸管で増殖します。患者の便や吐物からの感染、汚染された貝類を十分に加熱調理しないで食べたことによる感染等が代表的な感染源です。

○主な症状
体内にウイルスが入ってから1～2日後に嘔吐、吐き気、下痢、腹痛などの症状がでます。通常はこれらの症状が1～2日続いた後、自然に回復しますが、場合によっては嘔吐や下痢をくりかえし脱水症状を引き起こすことがあります。水分摂取が難しく脱水が疑われるようであれば、病院を受診しましょう。

○予防方法
食事前、トイレ後、調理前などは必ず手洗いをしましょう。嘔吐や下痢症状のある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしてください。ノロウイルスにアルコール消毒は効果が期待できません。次亜塩素酸ナトリウム(市販の家庭用塩素系漂白剤等を希釈)で消毒します。汚染された衣類は破棄することが望ましいですが、洗う場合は次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤で消毒してから通常の洗濯をします。
ノロウイルスは非常に感染力が強いため、胃腸炎の症状が出たら、無理に登園・登校・出勤することは控えましょう。

〔こどもがかかりやすい感染症〕
●RSウイルス
RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症で、2歳までに1度はRSウイルスに感染するといわれています。症状は、発熱、鼻水等の軽い症状から呼吸困難、重い肺炎まで様々です。多くの場合は軽症ですが、初回感染時は重症化しやすく、生後6ヶ月未満の乳児では細気管支炎や肺炎をおこす可能性があり注意が必要です。RSウイルスは抗ウイルス薬がないため対症療法が基本です。家で安静に過し必要に応じて医師に処方された薬を服用しましょう。

●ロタウイルス
ロタウイルス感染症は、急性の胃腸炎で乳幼児期(0～6歳ころ)にかかりやすいとされています。5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。大人はロタウイルスの感染を何度も経験しているため、ほとんどの場合は症状がでません。乳幼児は、水のような下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛等の症状がでます。重い脱水症状が数日つづくことがあり、入院が必要になる場合があります。速やかに医療機関を受診しましょう。
冬は低温・低湿度を好むウイルスが生存しやすい環境です。空気か乾燥しているとウイルスは表面の水分を失い空中に浮遊しやすくなります。また咳やくしゃみの飛沫が小さくなり、一度の咳でも感染範囲が拡大しやすくなります。寒くなり体温が下がるとウイルスへの免疫力が低下し、体内の水分量が減ると鼻やのどの粘膜が乾燥しウイルスに感染しやすい状態となります。これらの要因から冬は感染症が流行しやすいといわれています。

●インフルエンザウイルス
季節性インフルエンザは、いったん流行がはじまると短期間に多くの人へ感染が広がります。例年12月～3月が流行シーズンですが、令和5年は例年より早く本格的な流行が生じる可能性があります。

○主な症状
38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速にあらわれるのが特徴です。あわせて普通の風邪と同じように、のどの痛み、咳、鼻水等の症状もみられます。

○予防方法
・飛沫感染、接触感染を防ぎましょう
こまめな手洗いは予防の基本です。咳やくしゃみが出るときはマスクを着用し、感染拡大を防ぎましょう。
・換気、湿度管理をしましょう
室内に病原体を停滞させないよう、冬でも窓を開けて換気を行うようにしましょう。湿度は40～60%に保つのが理想です。加湿器や洗濯物を干したりして快適な湿度を保ちましょう。
・免疫力を高めましょう
規則正しい生活、十分な睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動などで日頃から感染症への抵抗力をつけておきましょう。

※予防接種は重症化予防に効果的ですが、感染を阻止するものではありません。予防接種を受けていてもインフルエンザにかかる可能性はあるため、予防対策はしっかり行いましょう。
※インフルエンザ発症前日から発症後3～7日間は鼻や喉からウイルスは排出するといわれています。咳やくしゃみの症状がつづいている場合には周りにうつさない配慮が必要です。学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」インフルエンザによる出席停止期間としています。

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