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病院だより No.93

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北海道天塩町

●炭水化物を知って、食べて、元気に
2024年後期のNHK連続テレビ小説が始まりました。タイトルは「おむすび」。橋本環奈さんが主人公を務め、平成ギャルが栄養士を目指して成長していく物語のようです。これまで近年の食をテーマとした物語は少なく、今期の物語の中で「おむすび」というキーワードがどのような真意であるのか、わくわくしています。また全国的にコメ不足が発生し、「令和の米騒動」だと話題です。今号ではお米の主要な栄養素「炭水化物〔糖質〕」についてとりあげます。

○炭水化物は糖質+食物繊維
炭水化物とは、エネルギーの素となる栄養素であり、脂質・タンパク質と並ぶ三大栄養素です。炭水化物は、体内に吸収されてエネルギー源になる〔糖質〕と、消化吸収されずエネルギーにならない〔食物繊維〕に分けられます。
代表的な「お米」には炭水化物以外にたんぱく質・脂質・ミネラル・ビタミンなど、様々な栄養素が含まれています。米に含まれる食物繊維は腸環境を整えることが最近の研究でわかってきました。

○お米の栄養(精白米100gあたり)

参考:文部科学省「日本食品成分表2020年度版(八訂)」

○「糖質=太る」ではありません
ごはんや小麦製品(パン・麵)、イモに含まれる糖質はでんぷんで、胃で消化分解されることでブドウ糖になり小腸から吸収されて徐々に血糖値を高めます。これに対し、ジュースや菓子類に使用されている糖質は砂糖で消化吸収が早く、血糖値を急に高めやすい特徴があります。急激に血糖値があがるものばかり食べると、過剰に分泌されたインスリンの作用で体脂肪として蓄積されてしまいます。
糖質が太るのではなく、糖質を必要以上多くとって、消費(運動)が足りないことで太るということを忘れないでください。

○菓子パンは主食とはなりません
主食と間違われやすいものに菓子パンがあります。
食パン・ロールパン・フランスパンは主食として考えますが、あんぱん、デニッシュ、ホットケーキは食パンの代用とはなりません。お菓子を食べているという認識をもってください。
「お菓子を食べた分、ごはんをへらせばよい」と考えている人もいるようですが、ごはんや小麦製品には糖質だけでなく、その他の栄養素が含まれているのに対し、菓子には体にとって有効的な栄養素はほとんど含まれていません。主食の代わりにはなりません。

○糖質制限ダイエット
適切な糖質量を知らずに、主食をカットするだけの糖質制限は危険です。短期的な減量には効果が現れやすいですが、長期的な糖質制限は専門家の指導の下で行わないと、頭痛・便秘・神経系の不調が起こることがあります。それぞれライフスタイルにあった適切な糖質量があります。目標体重に添った食品構成を専門家(医師・栄養士)へご相談ください。

まだまだ米価格の高騰は落ち着かず、家計には悩ましいことですが、お米をたべることは健康的な日本型食生活と日本の農業を守ることにつながります。世界的な穀物価格高騰やこれから世界が迎える食糧問題を考えると、安心安全な国産米は食の未来を大きく担っているといえそうです。
(文責:管理栄養士 高原)

お問い合せ先:天塩町立国民健康保険病院
【電話】(2)1058

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