●肺がんCT検診
今月は放射線科から、天塩町が実施している「肺がんCT検診」についてご案内いたします。
通常、肺がん検診と聞きますと、病院や健診センターで「息を吸って、止めて下さい。」の胸部X線(レントゲン)検査を思い浮かべると思います。
この胸部X線検査は、肺野の末梢部分にできるがんの発見に有効な検査で一次健診に利用されています。
ただし、このX線検査では、大きさが2cm以下の小さながんの場合、肋骨や血管に隠れることがあるため発見が難しく、また肺門部(肺の入り口)にあるものは気管支や心臓、胸骨、血管などと重なり、発見がより困難で見つけられない場合もあります。
そんな胸部X線検査の弱点を補う検査として、今、注目されている新しい検診が、CT装置で行う「低線量肺がんCT検診」です。
○低線量肺がんCT検診は、通常のCT検査と何が違う?
CT検査は、従来の胸部X線検査と比べ、より小さく、より早い時期の肺がんを発見できる特徴があります。
ただ、CT検査はX線被ばくが比較的多い検査と言われているのが気がかりな点でした。
しかし、当院のCT装置はもともとX線被ばくを低減する機能を備えており、肺がんCT検査時にはさらに照射するX線量を少なくしています。
具体的には、通常行う胸部CT検査の1/4程度までX線被ばくを抑え、学会で推奨されている基準で検査を行っています。
低線量肺がんCT検診は、通常の胸部CT検査に比べ、X線被ばくを極めて抑えた、肺がんを早期発見することに特化したとても優れた検査です。
○実施状況
肺がんCT検診は、令和4年7月から始まり、この1年9カ月で37名の町民の方にご利用いただいております。
検診費用は通常1万2千円のところ、自己負担額1200~3600円と町から非常に手厚い補助を受けられる検診です。
この検診は40歳以上の町民が対象で、特に50歳以上の喫煙者と長期間の喫煙歴がある方に、受けていただきたい検診です。
○CT検診の流れ
ご予約された時間に来院し、あらかじめご自宅でご記入された問診票と検査同意書を提出していただきます。
CT室で着衣を確認後、検査ベッド上に寝ていただきます。
数回、息の吸い方・深呼吸を練習します。
↓
本検査:大きく息を吸い込み、約15秒間、息を止めていただきます。これで検査は終了です。
入室から退出まで約10分のお時間です。医師の診察はありませんので、お会計を済ませたらすぐにご帰宅いただけます。
○検診結果票の提供
CT検診の判定は橋本病院長と東京の放射線科医による二重読影(二人の医師で行う判定)で行っています。
検査の結果票は約2週間後、ご自宅に郵送します。
○肺がんCT検診のお申込み
検査は予約制。火・水・木の午後1時・1時半・夕方5時。
検査のお申し込みは、福祉課ふれあい係さんにご連絡下さい。
(文責・肺がんCT検診認定技師 津田健志)
お問い合せ先:天塩町立国民健康保険病院
【電話】(2)1058
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