昭和19年、砂川町から分村し、奈井江町として歩み始めて80年。
10月25日に開町(分村)80年記念セレモニーが開催され、参加された皆様とこれまでの歩みを振り返りながら、未来の奈井江町について想いを巡らせました。
奈井江町は、農地の開墾と炭鉱の開発により、村勢が着々と発展したことを受け、昭和19年4月に村民多年の宿願が叶い、砂川村から分村したことから歴史が始まります。
昭和40年代後半には、石炭産業が衰退し、商業関係者や中小企業など地域経済に極めて大きい打撃と影響を与えました。
このとき我が町は、新たな経済構造の再構築を目指していくこととなりましたが、幸いにも道内外の優良企業各社に立地を頂いたことから、農業・商業・工業のバランスの取れた産業構造へと転換していきました。
平成初期には「健康と福祉のまち」を宣言し、病院や介護施設での開放型共同利用に係る取り組みをはじめとする、医療や福祉サービスの充実に努めたほか、介護の問題に自治体間の連携で取り組む「空知中部広域連合」を設立しました。
バブル経済崩壊後、引き続く厳しい財政状況のもとで「住民が主体となったまちづくり」を推進していくため、町民の皆様とも議論を重ね「まちづくり自治基本条例」を策定しました。この条例のもと、「自律プラン」を策定し、住民参加による協働のまちづくりや行財政改革の取り組みを進め、また、この条例の理念のもとで「子どもの権利に関する条例」、「高齢者支え愛条例」、「おもいやりの障がい福祉条例」など、すべての町民が主体的にまちづくりに参加し、ともに助け合うまちづくりに取り組んできました。
また、本町の基幹産業である農業については、幾多の自然災害などの困難にも負けず、水稲を中心とした生産を続けられ、北海道米の主力品種である「ゆめぴりか」は、コンテストなどでたびたび受賞しているほか、その他の農産物につきましても、生産者各位のたゆまぬ努力により、各方面より高い評価を得るなど、おいしく安全・安心な食糧生産基地として、重要な役割を果たしています。
あらためて、今日までの町政進展のためにご尽力いただきました先輩諸氏、関係機関、企業の皆様の熱意とご協力に、深い敬意と感謝を申し上げます。
この度の式典では、友好都市である、岡山県高梁市、及び、フィンランド共和国ハウスヤルビ町からメッセージをいただいています。この交流が、それぞれの住民にとって有益なものとなり、住民生活が向上するよう、末永く友好関係を続けて参りたいと考えています。
今、日本は世界にも類を見ない速度で少子化・高齢化が進展し、「人口減少社会」を迎えています。
本町においては、現在『奈井江版生涯活躍のまち誰もが躍動し、寄り添い集う全世代共奏のまちづくりプロジェクト』に取り組んでおり、「ずどーん」をキャッチフレーズに「まちじゅう音楽」や「しごとコンビニ」、「空き家、空き店舗の利活用」など様々な事業を展開しています。この取り組みにより、町民の皆さんそれぞれが主体的にまちづくりに参加し、誰もが居場所と役割をもって活躍できる地域づくりを進めています。
開町80年を契機として、誓いを新たにしながら、いつまでも住み続けたいまち「奈井江町」として、次代に繋げていけるよう、町民の皆さんと一丸となって、引き続き努力して参ります。
◆記念表彰
永きに亘って町の振興発展に努めた方や企業を対象として感謝状と記念品の贈呈が行われました。
※表彰者は本紙をご覧ください。
◆友好都市 岡山県高梁市メッセージ
岡山県高梁市長石田芳生さんからメッセージをいただきました。
奈井江町開町(分村)80年記念式典の開催を心からお慶び申し上げます。
奈井江町とは、昭和57年に住友グループの企業立地をご縁に友好都市を締結して以来、行政はもとより中高生の教育交流など関係を深めてまいりました。
また、平成30年7月の豪雨災害では高梁市に義援金や職員派遣をいただくなど、復旧復興に大きな力添えをいただきました。改めて感謝を申し上げる次第です。
この友好関係を次の世代につなげ、奈井江町と高梁市の交流がさらに深まることを願うとともに、奈井江町のますますのご発展とご参集皆様方のご健勝ご多幸をお祈りいたします。
◆友好都市 ハウスヤルビ町メッセージ
ハウスヤルビ町議長リスト・ティーッパナさんからビデオメッセージをいただきました。
このたび30周年を迎えた二町間の協力関係と友好都市提携は、たとえ地理的に離れていても、習慣ややり方が異なっていても、私たちには多くの共通点があります。私たちは共通の課題に向き合っており、自治体をどう運営すべきかについて互いの自治体から本当に多くのことを学んできました。長年に渡り私たちは相互に訪問し、人々、サービス、住民、そして生活様式を知りました。私自身、光栄にも皆様の元を二度訪れる機会を得ましたが、それは生涯に渡る思い出とすばらしい友情を与えてくれ、また、奈井江町でもハウスヤルビ町でも人々は同じように生活しているのだと改めて気づかせてくれました。すべての奈井江町民へ幸せと成功を祈念し、そして30年間の友情をお祝いしたいと存じます。この協力関係が末永く続きますように。
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