■自分の身体を知る~インスリンとすい臓~
血糖値を下げるホルモンとして有名な「インスリン」はすい臓から分泌されますが、好きなだけ使い続けられるものではありません。
・インスリンとは
インスリンとは、すい臓のβ(ベータ)細胞から分泌されるホルモンで、過剰なエネルギー(特にご飯・パン・麺やお菓子、ジュース、お酒などに含まれる炭水化物)を細胞や臓器に貯めるために重要な役割を果たします。余ったエネルギーも捨てずに身体に貯めようとするのは、人間が飢えに備えるための仕組みです。
・エネルギーのゆくえと血糖値が下がる仕組み
摂取した炭水化物(糖)は、小腸で吸収され、血液中に放出されて血糖値が上昇します。血液中に糖が多い状態が続くと血管はボロボロになってしまうため、インスリンの働きによって血管以外の場所に糖を移動させます。その行き場所は主に(1)肝臓、(2)筋肉、(3)脂肪細胞で、糖がこれらの場所に運ばれることで血糖値が低下します。つまり、血糖値が下がる=糖が消えているわけではありません。糖を運ぶことはインスリンにしかできず、エネルギーを過剰に摂取した場合、運び出す糖も多くなり通常の10~25倍のインスリンが使われます。そのためすい臓はひたすら働き続け、インスリンを出し続けます。すい臓に負担がかかり、悲鳴を上げ始めるまでには個人差がありますが、インスリンの使い方にすい臓の寿命が左右されることは間違いありません。すい臓は悪くなっても症状が出にくいといわれているため、健診の糖尿病の数値などで働きを定期的に確認することが大切です。日頃からすい臓を労わってあげられるのは自分自身です。一度食生活を振り返り、すい臓のためにできることを考えてみませんか?気になることがあればいつでも保健師にご相談ください。
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