■産業振興施策
●農業の主要作物である米につきましては、昨年は7月以降の高温、8月の台風による強風と雨の影響により多くの圃場で稲の倒伏が見られ、減収・品質低下が心配されましたが、留萌管内の作況指数は105、小平町の作柄は総じて「良」とみられる結果でありました。
一方、一昨年から始まった水田活用の直接支払交付金の見直しに伴い、水稲を中心とした本町の農業は厳しい局面を迎えているところでありますが、畑地化促進事業への取り組みを本格化させ畑地利用への円滑な移行を促し、畑作物の需要に応じた生産を促進させていくことも必要と考えております。このため、関係機関と連携し、主食用米を中心としながら飼料用米などの作付けにより水張面積の確保、麦・大豆などの畑作物の適切なローテーションを推進し、農業所得の確保と持続的な農業経営を図るため、国の支援も活用しながら農業者ニーズに応じた施策を実施してまいりたいと考えております。
また、事業化予定の「道営土地改良事業」につきましては、水利施設等保全高度化事業として第1地区の揚水機場の改修整備に着手、さらに、「団体営土地改良事業」は、達布地区の揚水機場を更新整備するものであり、いずれも施設の長寿命化及び農業用水の安定供給を図るものであります。
加えて、大椴地区での「道営農業競争力強化農地整備事業」につきましては、年次計画に基づき農業者の意見も取り入れながら、関係機関と連携して事業の円滑な推進を図るよう努めてまいります。
●畜産につきましては、「おびら和牛繁殖センター」の3期目の建設工事である育成・繁殖牛舎と飼料保管庫の整備が完了する予定であり、過去3年の整備によって繁殖雌牛一元管理システムへの移行のための基盤整備が進められてきたところであります。
本年度は、施設周辺の環境整備に着手し、繁殖センターの効率的運営に資するとともに、繁殖センターの利用により畜産農家の労力軽減と耕畜連携体制の強化が図られ、農家所得及び生産性が向上するよう努めてまいりたいと考えております。
●林業につきましては、「小平町私有林等整備事業」により民有林整備の需要を捉えながら計画的な森林環境の保全、整備を実施するとともに、木材を活用した公共施設などの整備について「森林環境譲与税」を有効に活用しながら林業と木材産業の持続的な発展を図ってまいります。
また、新たに留萌南部森林組合が小規模事業者への林業機械の貸出や共同利用などに取り組むことにより、事業者の経営強化、発展存続を図る「林業事業体経営強化対策事業」を組合と留萌市、増毛町とともに事業費の一部を負担し実施してまいります。
また、農業のみならず林業被害も深刻な問題である鳥獣被害について、引き続き関係機関と連携し鳥獣駆除対策に努めるとともに、アライグマ駆除奨励金の新設や侵入防止柵の計画的な施設整備を実施してまいります。さらに、発想豊かで意欲のある人材を地域おこし協力隊として積極的に受け入れ、特に畜産と水産分野で活躍されることに期待をしているところであります。
●水産業につきましては、アルプス処理水の風評被害の影響、また、地球環境の変化に伴う海水温の上昇で、漁業資源の変動や減少が見られる状況となっており、加えて、近年、燃油や漁業資材の高騰は、漁業経営に深刻な影響を与えており、さらには、漁業就労者の高齢化と労働力不足といった課題は、漁業環境に大きな影響を与えておりますので、継続して漁業生産活動が行えるよう、今後も漁業経営の安定化のため「漁業近代化資金利子補給」など、引き続き支援してまいります。
また、漁業生産活動の重要拠点であります臼谷・鬼鹿両漁港の整備につきましては、鬼鹿では引き続き、ホタテ作業係留岸壁の工事を実施し、臼谷では係留施設並びに道路護岸の実施設計や、西・南護岸の構造実施設計を行うことになっております。引き続き、関係機関と連携し、漁業振興の推進、就労環境の改善に努めてまいります。
●商工業の振興につきましては、個人消費の低迷や人口減少など、様々な課題に直面していますが、プレミアム付き商品券発行事業費補助などにより、引き続き商工業の活性化に努めてまいります。
また、商工業者の支援策として実施しております「中小企業振興資金利子補給制度」につきましては、町内商工業者に積極的に活用されており、今後とも関係機関と連携を密にし、既存の商工業者の事業拡大や施設整備などの推進に努めてまいります。
●観光振興につきましては、本町の豊かな自然や食、歴史といったまちの魅力を広く発信し、観光産業の活性化に努めてまいります。
また、各観光施設の維持補修などを実施し、利用者の利便性の向上を図ってまいります。
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