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言葉を通して知るアイヌ文化8

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北海道幕別町

ラウラウ(コウライテンナンショウ)

アイヌのなぞなぞに「木原のまん中で赤い布を頭に巻いているものなあに?」というものがあります。答えはラウラウ(コウライテンナンショウ)です。この植物は秋になるとすっと伸びた茎の上に毒のある赤い実をつけます。これを赤い布と言っているのです。コウライテンナンショウは、茎に見える部分に紫褐色のまだらな模様があってマムシに見えることから、マムシグサとも呼ばれます。また、この実が火を灯したように見えるので、へビノタイマツと言われることもあります。
この植物は全草に毒があります。特に塊茎(かいけい)には強い毒があると言われていますが、アイヌ民族はこの塊茎を食用にしていました。秋深くあるいは春先の早い時期になると、塊茎の一部に毒が集まり、中央部分が黄色くなります。その部分を丁寧に刳(く)り取ってから炉の灰に入れて焼くと、食べることができます。甘味があっておいしいと言われています。
中毒した時にはヤマブドウの汁を飲めばよいという言い伝えがありますが、それは大昔、ヤマブドウとコウライテンナンショウが決闘してヤマブドウが勝ったからだといいます。勝利したヤマブドウは大いばりで木の上に登り、コライテンナンショウは地中にもぐってしまいました。そして、今でも、充分に成長した塊茎には、ヤマブドウに切られた痕があるそうです。

文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)

問合せ:生涯学習課学芸員
【電話】(幕)54-2006

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