■「サードプレイスの確立を目指して」
昨年度に引き続き、町生徒指導連絡協議会の会長を務めます弟子屈中学校長の小林一博です。今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。
町民の皆さまには、平素から本町の児童・生徒の健全育成のためにお力添いを頂いていることに加え、本会の活動に対しましても、格別なご理解とご協力を頂いておりますこと改めて感謝申し上げます。
長く私たちの生活に影響を与えた、新型コロナ対応も昨年5月から5類へ移行され、この1年さまざまな方面において、ポストコロナでの行事などの再開や新たな取組への挑戦が行われてきました。町内各小中学校におきましても、4年にもおよぶ期間を、これまでの教育活動を見つめ直すチャンスと捉え、不易と流行を鑑み、子どもたちの健全な心身の成長のため、新たな教育活動の確立に向けて、各校で創意工夫しながら進めているところです。
しかしながら、SNSの急速な普及など社会の大きな変化や価値観の多様化に伴い、地域や家庭環境も様変わりし、学校だけでは解決困難な課題は、ますます増加する一方です。反面、教員の働き方改革の流れの中、勤務時間の厳格な管理が進められる現在、学校だけで、できることにも限界が生じていることは事実です。
学校も家庭も地域も、誰もが、未来を担う子ども達の幸福を願っている点においては、誰も異議を唱えることはないと思われます。では、人間の幸福感を生み出すためには、何が必要なのでしょうか。その一つに、コミュニケーションが、欠かせないと言われています。
脳の専門医である林成之氏によると、どんな人の脳も三つの本能を有しているそうです。
一は「生きたい」
二は「知りたい」
三は「仲間になりたい」
という本能です。林氏が指摘する「脳が求める生き方」とは、「世の中に貢献しつつ安定して生きたい」ということになります。人付き合いの中で最も大事なのが、双方において良好なコミュニケーションを築くことです。脳の本能の一つである「仲間になりたい」も、コミュニケーションを通して、どこかのコミュニティに所属したいという欲求に他なりません。
そして今、子ども達に必要なコミュニティは、ファーストプレイス(第一の場所/自宅)、セカンドプレイス(第二の場所/会社や学校)でもない、サードプレイス(第三の場所/ほっとできる場所)の存在と思われます。
SNSの普及により、いつでも、世界中の誰とでも繋がれる時代である反面、何だかいつまでも心が満たされず、ほっとできる場所がないことが、子ども達にさまざまな事象や課題を生じさせているように思われます。
ますます少子化が進み、地域振興を含め持続可能な町づくりが求められる中、家庭と学校の二柱だけでなく、さらに一柱の地域と共に社会の担い手を育成する必要性が高まっています。地域での活動や年齢も異なる人との関わりの中に、子ども達にとってサードプレイスの確立を目指して、共に協力し、知恵を出し合い、取り組んでいきたいと考えております。
今年度の活動へのご協力をよろしくお願いいたします。
弟子屈町生徒指導連絡協議会 会長 小林一博(弟子屈中学校長)
■町内団体の取り組みを紹介〜弟子屈小学校〜
弟子屈小学校は全校児童一六四名。二四名の一年生を迎えて、毎日明るく元気に学校生活を送っています。
児童会活動も盛んで、児童会三役を筆頭に、六つの児童委員会が組織されています。児童会活動の中心の児童会のメンバー五名は、六年生と五年生が会長・副会長・書記の役職を分担し、児童会活動の時間にはお互いにアイディアを出し合い、精力的に活動しています。
今年度の児童会活動スローガンは、「自分から動こう!伝えよう!〜あいさつ・めりはり・良い行動〜」です。児童会のメンバーが、知恵を持ち寄り練り合って考えたものです。
このスローガンのもと、各委員会が今年度の活動について発表する「児童会活動計画発表会」が行われました。それぞれの委員長が、タブレット端末を活用しながら、主な活動を発表しました。イチオシの活動紹介コーナーもあり、各委員会の意気込みが伝わる発表会となりました。
また、五月中旬には全校児童参加の「一年生を迎える会」が行われました。児童会三役が中心となって会を進行し、「弟小ではこんな勉強をやってるよ。」をコンセプトに、各学年が出し物を発表しました。クイズあり、ダンスあり、劇ありの工夫された内容で、一年生が夢中になって楽しむ姿が見られました。片付けは六年生が行いましたが、その中でも「もっとこうしたら効率がいいのでは?」などの声が出るなど、まさに、「自分から動こう!伝えよう!」のリーダーとしての姿を見ることができました。
児童会三役の活動としては、他にも赤い羽根共同募金の啓発活動や他学年交流を目的にしたゲーム交流も計画しています。
活動回数や活動時間には限りがありますが、その中でも弟子屈小学校の児童が、自分たちの力で、生き生きと学校生活を楽しむことができるような児童会活動を、教職員一丸となってサポートしていきたいと思っています。
問い合わせ先:弟子屈町生徒指導連絡協議会 事務局(弟子屈中学校)
【電話】482-2071
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