■静内農業高校
◆生徒全員が主役になれる静農の多様な学び
静農では、多様な学びにより、生徒それぞれの能力や適正を見つけ、活躍できる機会を作っています。大勢の中の一人として過ごすのではなく、一人一人にスポットが当たり活躍できる場がたくさんあるため、入学当初はあまり目立たなかった生徒も、自主性を身に付け、考える力や表現する力を伸ばし、社会で力を発揮できる生徒へと成長していきます。
生産科学科で園芸を学んでいる三井さんもその一人で、今年、先生に進められ参加した「花フェスタ」のガーデニングコンテストでデルフィニウムをメインに「命の循環」を表現し、静農初となる大賞を受賞しました。これを機に、アイデアを出すことや表現することが自分の特技だと再認識し、当初は思ってもいなかった造園の世界に進むという目標も見つけました。
学校では「生徒 対 先生」という形で授業をすることが一般的ですが、静農では、地域の人や企業、全国各地の専門家などを講師として迎える授業や実習が多く、「生徒 対 大人」という構図により、社会に一歩踏み出した形でより多くのことを学ぶことができます。卒業後、これからどうなっていくか分からない社会に対応する力が身に付く学びが静農にはあります。
◆「静農」という選択広がる将来への可能性
東日本大震災・新型コロナウイルスなど、時代の変革が訪れたとき、必要な力は何だったのでしょうか?これから激しく変化する時代を生きていく子どもたちを育てるために、今、求められている学習活動は「探究」です。静農は、知識だけではなく、課題を発見する力・価値を見出す力・探究心など、これから必要とされる力を身に付けることができる探究学習の素材や環境が豊富に揃っています。探究の選択の幅が広いからこそ、子どもたちが没頭できる・成長できるチャンスが多いのです。その学びは大学の総合型選抜に生かされることはもちろん、多様な進路選択を創り上げます。
食品科学科の渡部さんは、中学卒業後、製菓専門学校に進みたいと考えていましたが、静農のオープンキャンパスに参加し、野菜などの生産から食品製造・販売までを学べていろいろな経験ができると知り、静農への入学を決めました。1年生で農業全般の基礎を学び、2年生ではグループ探究活動として牛スネ肉を使った焼肉を開発。それをもとに3年生の個人探究活動では「開発した焼肉を外と中で焼いて食べるとどちらがおいしいのか」をテーマに、自分で計画・研究を行い、今後は大学で栄養の勉強をしたいという新たな目標も見つけました。
農業が軸となった豊富な研究素材は、新たな目標を生み出し、深い学びへ変化する。自らの探究を振り返り、新たな気づき・多様な価値観を得て、自分で進路を開拓できる。それが他の学校にはない静農の魅力です。
《卒業生の声》
『現場を見て学んだ経験が自分の強みです』
令和2年度卒業 東京農業大学 農学部 4年生 遠藤真緒(まお)さん(22歳)
下宿しながら静農に通っていましたが、親元を離れて生活する不安やドキドキをすぐに忘れてしまうほど授業が楽しく、熱中しました。静農は、授業を通していろいろなことに気づき、興味を持ち、挑戦できる学校で、日々試行錯誤しながら農業に向き合っている勉強熱心な先生から学べるのも魅力の一つです。
また、実習やインターンシップを通して農業の現場を多く見ることができたため、大学の研究では、その先にいる農家さんなど、現場を想像して取り組むことができ、それが今、自分の強みになっています。
《卒業生の声》
『静農での経験が就職につながる』
令和5年度卒業 国分北海道(株) 髙橋柚珠乃(ゆずの)さん(19歳)
静農で行っていた、マイスターハイスクールという事業をきっかけに、食の流通などを手がけている国分北海道に就職しました。地元を離れて社会に出ること、静農では前例のない企業に飛び込むことはとても不安が多く、くじけてしまいそうでした。それでも、入社までたどり着けたのは、意見発表大会への出場や商品開発を行う中でいろいろな経験をさせてくれて、全力でサポートしてくれた先生方のおかげです。静農はとにかく先生が生徒に全力で向き合ってたくさんの経験をさせてくれる学校なので安心して入学できます!
《在校生の声》
『体を動かしながら学ぶからより身につく』
生産科学科3年生 馬術部 大学獣医学部進学希望 木部千乃(ゆきの)さん(18歳)
馬や食品など、それぞれのコースで専門的なことが学べるのはもちろん、静農では、実習で体を動かしながら学ぶことが多いため、学んだことが身に付きやすいと感じています。
各分野の専門家や企業と関わることも多く、中にはそのつながりから就職に結びついている人もいます。また、学習・研究内容を発表する機会や、地域の人と交流する機会も多く、そこで身に付くプレゼン力やコミュニケーション力は、就職・進学どちらの進路でも役立っています。
《先生の声》
『経験と意欲が重視される社会で通用する力を』
保健体育科担当 進路指導部長 興村航平(こうへい)教諭
静農では、「産業社会と人間」を学校設定科目としており、自分の進路や将来について考えて行動できるようなキャリア教育を実践しています。
近年は、「学習歴社会」といわれ、「何を学んで、どんな経験をし、これから何をしたいか」が重視されるようになっています。これに伴い、大学入試も「総合型選抜」による受験者が増えており、そこでアピールできる経験をたくさん積めることは静農の強みとなっています。就職についても、多くの選択肢を知ることで、それぞれの生徒に合った進路を見つけられるようサポートしています。
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