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自治体の皆さまへ

青少年育成地域懇話会を開催 2

7/23

北海道新十津川町

■講話の内容
○今、伝えたいこと
(1)発達段階に合ったICT機器の利用を社会全体で考えよう
子どもの心の発達には道筋がある。私は「発達段階に合った」を強調したい。子どもの心と大人の心の節目は10歳である。10歳までの時期は、すぐにはできなくても、大人の言葉が染みていく時期である。
しかし、10歳を境に子どもの心は、大人と対等になっていく。承認されたい相手が親から友達・異性に変わる。それがちょうど中学生の時期で、友達と同調したい、仲間外れにされたくないからいろいろなこと(情報)を知りたい年代である。だから、この時期にスマホを持たせるなら、大人がかなり工夫する必要がある。我が家のルールをしっかり考えて伝えていかなければならない。
これらのことは脳科学、大脳の仕組みからも分かる。五感の脳は3歳まででほぼ大人と同じになり、8歳までで完成する。だから、乳幼児期にどのような刺激を受けるかが大切である。
一方、前頭葉は10歳以降に大変伸びるので、思考の脳が発達していない10歳前に「そんなにゲームをしないこと」と言っても、自分で制御できないのは当たり前であり、親がコントロールする必要がある。そして、五感にしっかり働きかけるような主食の遊びをさせ、就学前までに五感を発達させることが大切である。

(2)家庭も地域もリアルな社会の充実が鍵
学校教育で行われていることは、すべて前頭葉を発達させることといわれている。それに家庭や地域が子どもたちに自然体験、社会体験、文化体験などリアルな体験をさせることが大切である。
このことは、文科省の調査からも小学生からこれら3つの体験が18歳になった時に親の経済状況にかかわらず良い影響を与えているとの結果が出ている。このことから、さまざまな地域活動をますます充実させることが大切であるということを知っておいてほしい。

(3)「子どもの健康被害(体・心・命)」を防ぎたい
子どもたちのネット、ゲーム依存傾向を大変心配している。この4年間で各地を回って受けた相談事例から、特に幼児のネット依存は就学後も勉強しなくなる傾向がある。
就学前は一度、ゲームなどを断つことが幼児のネット依存には有効と言われている。子どもが大泣きしたら、理由を説明して、見えない所にゲーム機器を置き、泣き叫んでも出さないこと。1週間すれば子どもは諦める。その間は子どもを放っておくのではなく、他の遊びを一緒にやってあげるなど親も頑張ることが大切である。

(4)小中学校向け授業スライドから
SNSから犯罪に巻き込まれた場合の悪影響について、例を出しながら説明しても子どもたちは意外と知らない。また、スマホの使用時間が長いと学校の成績にも影響があるとのデータもある。小・中学生ごとに体と心を守るためのルールづくりが大切である。

(5)大人がすべきこと
学校に期待することは、子ども自身の気付きが不可欠なので、子どもの自主的な適正使用を促してほしい。家庭・学校・地域にはネットの世界よりリアルな世界の充実が必要で、ネットに代わる時間をつくり、放課後や休日の児童生徒の活動(遊び・交流・学び)が保障されるようにしてほしい。

(6)最後に
小中学生には、医学的・科学的な話をしっかりと聞かせる、また、自分たちでルールづくりをさせる導きをしてほしい。また、地域の大人にはリアルを充実させること、保護者にも思春期の子どもとの対話にはコツがあることを伝えてほしい。

■意見交流
講話後に行われた意見交流では、「子どものスマホ使用についてのルールづくりを地域全体で考え続けることが大切」「中・高校生にアンケートを取り、傾向別に対策を練ったらどうか」などの前向きで活発な意見が出された。

問合せ:教育委員会社会教育グループ
【電話】76-4233

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