◆意思を送る「サイン」
小学校1年生からミニバスケットを始め、小学生から現在に至るまで、バスケット歴は20年以上になります。大学在学中に所属していたバスケット部のトレーナーに勧められてデフバスケを知り、令和4年11月から本格的にデフバスケを始めました。現在は社会人チームと、デフバスケ女子日本代表の2チームでプレーしています。
社会人チームはいわゆる健常者のチームですので、当然声でコミュニケーションを図ります。デフバスケは基本的に「手話」でコミュニケーションを図るのですが、バスケットという競技は、瞬時の意思疎通が必要なスポーツですので、声を使わず「手話」でスピーディーに伝えることはとても困難です。そのため、声の代わりに「サイン」を送るなどして意思疎通を図っています。
◆デフバスケを見てほしい
今回、合宿を迎え入れてくださり、新得町の皆さまには感謝でいっぱいです。ぜひこの機会にデフバスケを実際に見ていただき、知っていただければと思います。
来年日本で開催されるデフリンピックでは、目標としては金メダルを獲ることですが、何よりも、このデフバスケというスポーツの魅力をより多くの人に広めていきたいと思っております。
◆手話によるコミュニケーション
私が元々バスケットをやっていたことに加えて、父がろう者であり、手話ができるということから、デフバスケ男子日本代表のアシスタントコーチとして帯同するようになったことが、デフバスケに携わり始めたきっかけです。
デフバスケでは「手話によるコミュニケーション」を大事にしています。それは、チームサインやアイコンタクトによりイメージの共有を図り、連動性を目指すものです。日頃心がけている事は、常に選手目線で物事を考え、チーム全員に伝わる手話で、同じイメージを持つ事です。
また「ストレス」をなくす、という点も非常に大事です。わからない事が何よりストレスになるので、それらを確認しつつ整理していくと、心の安全が保たれるため、言いたい事が言える関係性になり、チームとして一体感が生まれます。
◆子どもたちに夢と希望を
新得町に訪れた際は、町民の方々と交流することを予定しているのですが、可能であれば子どもたちとの交流を持ちたいです。
子どもたちは将来の宝ですので、デフバスケを通じて夢と希望を与えるという責任が、私たち日本代表にあると自負しています。
『手話のまち新得町に訪れることを楽しみにしています』
若松 優津(ゆず)選手(東京都出身)
小学生からバスケットを始め、大学卒業後、社会人バスケットボールチーム「AFBB」に所属。令和4年11月から「デフバスケ」のキャリアをスタートし、令和5年にデフバスケ女子日本代表に初選出。
『地元 北海道の地で合宿ができて光栄です』
坂本 知加良(ちから)監督(北海道札幌市出身)
平成21年よりデフバスケ男子日本代表のアシスタントコーチに就任後、数多くの世界大会を経験。令和4年よりデフバスケ女子日本代表の監督に就任。現在、帯広聾学校に勤務。
●「デフバスケ」とは?
聴覚障害者がプレイするバスケットボールのことです。競技中は、聴力による不平等をなくし、身体の安全を確保するために補聴器や人工内耳の装用を禁止しています。審判の笛や、ブザーの音が聞こえないため、試合では旗を振って合図するフラッグマンをコートサイドに配置しています。
●なぜ新得町で合宿?
新得町は手話条例を制定しているなど、ろう者に理解があることや、町総合体育館などの練習環境が整っていることが決め手となりました。合宿は7月27日から30日まで行われます。
●練習の様子などを見ることができますか?
町総合体育館や新得中学校で練習を予定しておりますので、ぜひ見学に来て、デフバスケを間近で感じてください。練習場所・時間などの詳細については、下記までご連絡願います。
→社会教育課 社会体育係
【電話】64-0532
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