■主要な施策の推進
これより、令和6年度の施策について、総合振興計画の体系に基づき申し上げます。
1 みんなにやさしく健やかなつきがた
はじめに、保健・医療・福祉分野について申し上げます。
一つ目は保健・医療についてであります。
全額公費負担であった新型コロナワクチンの接種費用は、本年4月以降は任意接種として自己負担となり、高齢者などが罹患すると重症化しやすい疾患であるため、65歳以上の方の接種費用を一部助成するよう検討しております。なお、接種時期は、秋頃の予定です。
発症すると痛みが長引くなどつらい病気である帯状疱疹については、50歳以上の方がワクチン接種を希望する場合、その接種費用を一部助成することにします。
新型コロナウイルス感染症をはじめ、未だ様々な感染症が流行しています。町としても感染症予防に関し積極的に情報発信や啓発活動を実施していきますので、町民の皆さんもワクチンを活用することを含め、引き続き感染症予防に心がけていただきたいと思います。
若いうちから健康に関心を持ってもらうことや、後期高齢者に移行しても引き続き健康を維持していただくことを目的に、35歳から39歳までの国民健康保険加入者の方および75歳以上の後期高齢者保険の方について、住民健診(血液検査など)の受診料を無料とします。
健診を病気の早期発見の機会にするだけではなく、自身の身体の状況を知り生活習慣を見直すきっかけにしていただけるよう、健診の周知や事後指導、健康づくり教室などの実施にも努めてまいります。
国民健康保険事業につきましては、制度の安定的かつ効率的な運営を図るため、保険料率は令和12年度に全道統一化することとされています。
このような中、健康づくり対策としては、特定健診事業をはじめとした各種検診を積極的に実施し、保健指導による疾病予防を促進し、健康増進と医療費抑制に取り組んでまいります。
町立病院の運営状況は、病床利用率は令和4年度から10パーセント程度の落ち込みがあるものの、80パーセント前後を維持しております。外来患者につきましても若干の減少傾向にありますが、内視鏡の検査を増やすなど、診療行為の充実と経費節減など経営効率の向上により、令和5年度の一般会計の負担金は、令和4年度と同程度となっております。
病院の診療体制につきましては、本年4月から総合診療医1人の増員を図り、医師2人体制での診療を行います。また、病床機能や診療科などについても検討を行い、地域医療の充実を図ってまいります。
新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行しましたが、ウイルスの性質自体が変わったものではありませんので、今後も患者様への対応や感染対策を継続してまいります。
二つ目は福祉施策についてであります。
令和6年度から「第7期障がい福祉計画・第3期障がい児福祉計画」が3年計画としてスタートします。障がいがある方が自分の望む場所で、その人らしい日常生活を送っていけるよう、町内外の福祉関係事業所と連携し、各種支援施策を推進してまいります。
また、発達に課題のあるお子さんに対しては、保護者および各関係機関との密接な連携のもと、発達段階や個性に合わせた訓練や保育・教育が受けられるよう引き続き支援してまいります。
市町村の策定努力義務とされております「月形町再犯防止推進計画」を、令和6年度を初年度として新たに策定いたしました。月形刑務所や保護司会、更生保護女性会など犯罪をした人の更生にかかわる関係機関と連携しながら、月形町の安全・安心を守りつつ犯罪をした人の社会復帰を支えてまいります。
なお、10年間の計画となっております「地域福祉計画」と「障がい者基本計画」につきましては、令和6年度が計画最終年となりますので、本町の実情に沿いながらも時代の変化に対応した新しい計画を、当事者や各関係機関のご意見を踏まえながら策定してまいります。
高齢化率が上昇の一途をたどっている本町においては、高齢者の皆さんが住み慣れた地域にできるだけ長く住み続けられるような地域包括システムの充実が必要です。より安心して住みやすい町になるよう、今後もさまざまな角度から検討し、必要な介護サービスや生活支援を行ってまいります。
「月形町第9期介護保険事業計画・第10期高齢者保健福祉計画」も3年計画として令和6年度から開始となります。介護保険料の基本額は、計画を開始して以来初めて金額を据え置き、月額5900円といたします。
この先も皆さんが負担する介護保険料を抑えていくためには、一人ひとりができるだけ長く介護を必要としない健康的な生活を維持していく「介護予防活動」が重要です。令和5年度から開始している高齢者の生活習慣病予防と疾病の重症化予防および介護予防に対する一体的な取り組みにつきまして、保健担当と国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険の各担当部署が連携を図り推進してまいります。
三つ目は子育て支援についてであります。
妊娠届出時と妊娠後期に子育て世代包括支援センターの保健師が面談し、不安の受け止めや助言、情報提供などの支援を行うとともに、妊娠中と出生後に5万円ずつ計10万円を給付する「出産・子育て応援交付金事業」を今年も昨年同様に実施します。
出産後の心身のケアとして、訪問や通所で専門の助産師の支援が受けられる「産後ケア事業」については、一部利用料をいただいていましたが、より気軽に利用しやすくするため、令和6年度より無料とします。
また、引き続き、乳幼児等医療費の無償化および町外医療機関通院費の助成により、子育て世帯を支援してまいります。
令和5年度は、保育料無償化の影響もあり認定こども園に入所する0歳から2歳のお子さんが急増し、保育士の人材確保の難しさが深刻な課題となりました。保護者の皆さんがお子さんを安心して預けられるように、花の里こども園の指定管理者と協力しながら保育士の確保に努めてまいります。
また、学童保育所についても、支援員の人材確保が課題になっており、土曜日の家庭保育などにご協力をいただくなどして対応しております。お子さんの安全をしっかりと守り、放課後を安心して楽しく過ごせるよう、人材確保に努めるとともに、保育環境を充実してまいります。
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