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No.41 FPコラム お金のおはなし QandA

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北海道栗山町

◆「子育て世代の貯蓄方法」~目的と目標、預け先を決める~
くりやまライフサポーター
応援ファイナンシャルプランナー(FP)
文:星洋子さん

Q:貯蓄の仕方がわからず、今は毎月の黒字分をそのまま給与口座に残しています。この方法で合っているのか、どのくらい貯めると良いのか不安です。

A:子育て世代は子どもの進学資金、持ち家希望であれば自己資金、車の買替など将来の大きな出費に備えるために、目的ごとに目標額を設定し最適な預け先を選びましょう。

▽貯蓄の目標額とその理由
一般的な私立大学の場合、4年間の学校納入額が平均400~600万円かかるため、進学資金の目標額は500万円程度が目安になります。持ち家の自己資金は購入時の諸費用分と、住宅ローンの2割程度が理想です。自動車ローンは金利が高めなので全額をローンで組むのは避け、車の買替時期までになるべく多くの頭金を準備しましょう。

▽預け先は生活費口座から分ける
約5~10年以内に使う予定のものは、元本保証の定期預金や積立預金が適切です。自動振替手続きをすると手間がかからずしっかり貯められます。また、給与天引(※1)の財形貯蓄もおすすめです。
店舗を持たないネット銀行では、1年満期の定期預金が1月現在0.3%(税引き前)など、大手銀行の100倍以上の金利商品もあります。しかし、ネット取引のため、口座開設後は銀行を装った詐欺などへの対策が必要です。

▽将来の物価上昇に備える
10年以上先に使うお金は受取り時の物価対策として、投資による運用も考えてみましょう。
個人向け国債(※2)(10年満期のもの)は変動金利のため、金利が上昇すると受け取る利子も増えます。中途換金も可能で、10年以内に使うお金の預け先にも向いています。
投資手段の1つの「NISA(※3)」は株式や投資信託などの運用益が非課税になるため、税制面でかなりの注目を浴びています。
しかし、投資商品は元本保証がなく価格の変動があります。必ず余裕資金で行うことや、長期運用を心掛けましょう。そして、運用初心者は投資の勉強をし、知識を深めましょう。

〈生活資金〉
生活費、緊急用など[給与口座 貯蓄預金]
〈数年後に使う〉
学費、住宅・車資金[積立・定期預金、財形貯蓄・個人向け国債]
〈当面使わない〉
10年以上先、余裕資金など[個人向け国債NISAなどで投資運用]

【用語解説】
○※1 財形貯蓄制度
勤務先経由の積立制度。一般財形のほか住宅・年金財形があり、住宅や年金のための引き出し時の利子などは非課税です。
○※2 個人向け国債
政府が発行する国債のうち、一般の個人投資家向けに発行される。発行1年後から中途換金可能(直前2回分の利子は引かれる)です。
○※3 NISA
正式名称は「少額投資非課税制度」。今年から導入された新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、非課税期間が無期限に改正された。目的を問わずいつでも引出し可能。

◇星洋子(ほしようこ)
CFP(R)、1級FP技能士、1級DCプランナー、認定心理士、住宅ローンアドバイザー。ライフプランを提案する独立型FPとしてセミナー講師、相談業務などを中心に活躍中。

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