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文化財のひろば・シリーズ172

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北海道森町

■イカ形土製品
今回は森町の名産品である「いかめし」にとてもよく似た縄文時代の道具「イカ形土製品」についてご紹介します。
イカ形土製品は、ストーンサークルがある鷲ノ木遺跡から南東に200mほど離れた鷲ノ木4遺跡で発見されました。お寺の釣鐘に近い形状であることから鐸形土製品とも呼ばれる出土品の一種です。発見時は半分ほど欠けた状態で見つかり、周辺から出土した破片を接合して復元したものが現在の姿です。
鐸形土製品は内部が空洞になっていて、やや黒ずんだ部分のあるものが見られることから火を使うことに関係していたと考えられていますが、目的や使い方はよく分かっていない謎の多い道具です。鷲ノ木遺跡と鷲ノ木4遺跡から複数出土していて、縄文後期(約4000年前)に北海道南部から東北地方の遺跡を中心に出土しています。ストーンサークルの近くで見つかることが多いため、儀礼や祭祀の際に使っていたのかもしれません。
その中でも頭が三角形で丸みのある胴体がイカに似ているため「イカ形土製品」と呼ばれるようになりました。「いかめし」のような形をした土製品は森町でしか発見されていません。とても珍しい出土品であることから、平成21年7月21日に町の文化財(第4号)に指定されています。森町遺跡発掘調査事務所の展示室で常設展示していますので、鷲ノ木遺跡見学会と合わせて、ぜひ足を運んでみてください。

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