このコーナーは広報広聴課が気になる話題をピックアップしてお伝えします
■1000年以上前の歴史を感じよう 日本最北端の古墳「江別古墳群」
道内に唯一現存する古墳(古いお墓)である「江別古墳群」を調査します。
◇8世紀後半~10世紀に作られた!?
江別古墳群は、歴史の教科書などでよく紹介される、前方後円墳(代表例は大阪府にある仁徳(にんとく)天皇陵古墳)とは作られた時期や規模が異なります。前方後円墳が5世紀頃に作られたのに対し、江別古墳群は8世紀後半~10世紀に作られたと考えられ、直径3~10mの小さな古墳がまとまって存在するのが特徴です。
◇北海道で現存している古墳は、江別だけ!?
昭和6年に小学校の教員だった後藤寿一(じゅいち)氏によって発見・調査され、後藤氏の名前にちなみ、「後藤遺跡」とも呼ばれています。
北海道内で発見された古墳は、江別古墳群の他に3カ所あり、市内の旧町村農場内と、恵庭市の茂漁(もいざり)古墳群(現柏木東遺跡)、札幌市北区のK39遺跡です。しかし現在は、江別古墳群以外残っていません。
重要な遺跡として、保存し後世に引き継ぐため、平成10年に国の史跡に指定されました。
◇古墳を作った人々とは!?
誰によって作られたのかは、多くの研究者によって議論されており、次の3つの見解に分かれています。
(1)北海道に住んでいた有力者
(2)中央の古代国家に仕える人々
(3)古代国家と関わりのある東北地方に住んでいた人々
いずれにしても、古墳の形態・構造や発見された遺物の数々は、本州の文化との深い関わりによって、もたらされたものといえます。
◇周辺から発見された遺物(一部)
江別古墳群に伴って出土した遺物は、全て古墳の周りにめぐらされた溝から発見されました。ほとんどは古墳が作られたときに埋められたのではなく、後の儀礼に関わる物と考えられています。
・紡錘車(ぼうすいしゃ) ※糸をつむぐ器具
・勾玉(まがたま) ※装身具(アクセサリー)
・須恵器(すえき) ※窯焼きの土器
・鋤先(すきさき) ※土を掘る道具の先端部(鉄製)
・土師器(はじき)(甕(かめ)形) ※野焼きの土器
◇春や秋に行くのがおすすめです!
昭和55年の調査で21基の古墳が確認されましたが、道路(江別インター線)ができたことで3基が消失し、現在は18基が残されています。古墳を見に行く場合は、草の少ない春や秋に行くと、こんもりした古墳の形状がわかりやすいです。
◇江別古墳群
元江別858-4、858-4地先河川敷地
※専用駐車場はありませんが、徒歩5分ほどの場所にある旧リサイクルバンクに駐車可能です
◇郷土資料館(古墳群のジオラマや発見された遺物を展示)
緑町西1丁目38
【電話】385-6466
開館:火~金曜日9:30~17:00(入館は16:30)
休館:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始
企画:広報広聴課
【電話】381-1009
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