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令和六年度 教育行政執行方針

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北海道泊村

高山教育長

令和六年第一回泊村議会定例会の開会にあたり、教育行政の執行に関する主要方針について申し上げます。

昨年の十二月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来推計人口によると、泊村においても二〇五〇年の十四歳以下人口は二〇二〇年対比で六十二%減の五十六人となるデータが示されました。この人口減少は地方だけでなく、都市部も含めた日本全体が抱える社会問題となっており、地域の将来を考えるうえで極めて大きな課題です。
そんな中、新型コロナウィルス感染症は、三年以上にわたり、我々の生活に大きな影響を与えてきましたが、教育の分野では、その対策としてICTの情報技術が急速に進展し、生活の中に定着した感があります。
泊村では、今年度から新たな村の施策として、小中学校の教育費無償化の方針が示され、保護者の更なる負担軽減が進むこととなります。今後は小規模校だからできる特色ある教育活動を進めてまいります。
以下、令和六年度において、重点的に取り組む施策について申し上げます。

■一.学校教育について
◇(1)変化する時代に対応できる力の育成
学校教育は「社会で生きる力」を育成するために、学力の基礎・基本の定着と社会で自立・共生するために必要な力を確実に身に付け、主体的に社会に参画していく力を育むことが大切であります。
学力の向上につきましては、全国学力・学習状況調査結果の分析をもとに、成果と課題を明確にして授業の創意工夫や家庭学習の定着に努めてまいります。
また、小中の連携を深め、教員による相互乗り入れ授業の取り組みをさらに進めてまいります。また、昨年度から児童生徒数や教職員数の減少という共通の課題を持つ神恵内村と学校間連携を始めておりますが、今年度はより質の高い教育環境を子供たちに提供できるよう、児童・生徒間の交流を更に促進し、合同授業やオンライン授業など積極的な授業交流を行い、相互のふれあいを通じて豊かな人間性を育み、特に中学校では教科間の連携を通して、より教科の専門性を高めるよう連携を進めてまいります。
さらに、小学校においては加配教員を活用した算数専科や体育のエキスパート教員による学力と体力の向上を図り、中学校においては岩内高校からの乗り入れ授業を複数教科で実施するなど連携を強化することで質の高い授業を実現し、「協働的な学び」と「個別最適化な学び」を目指した授業の推進をしてまいります。

◇(2)豊かな心と健やかな体の育成
児童生徒が自己肯定感と人を思いやる心の醸成を図りながら、基本的な倫理観や規範意識を身に付け、自らの生き方を主体的に考えることができる力を育み、学校生活が有意義で充実したものになることが大切であります。
学校運営協議会で議論された、「泊 村 の 目 指 す 子 ど も 像」で は、四つの柱として「自ら学び、自分の考えを表現できる子」「思いやりの心を持って、積極的に行動できる子」「健やかな心身を目指し、努力できる子」「ふるさとを愛し、ふるさとを大切にできる子」を掲げて、学校・家庭・地域が取り組めることを着実に進めてまいります。
このため自他の持っている良さを大切にし、道徳教育の充実を図るとともに、読書やボランティアなどの教育活動を通じて、自立心や思いやりの心を養い、豊かな人間性や社会性を育てる教育を進めてまいります。
また、SNS等によるトラブル防止に関する啓発を行うとともに、学校運営協議会で策定した家庭でのスマホに関するルール作りや危機管理の徹底について情報発信をしてまいります。
いじめ対応につきましては、児童生徒の小さなサインを見逃すことなく、早期発見と早期対処への取り組みを推進してまいります。
児童生徒の健やかな体を育成するには、栄養教諭を中心に食を通して生きる力を育む食育を推進し、家庭を含め健康に対する意識の向上に努めてまいります。地元漁業者・漁業協同組合・漁協女性部の協力のもと、泊産の魚介類を献立に取り入れて、「地産地消」の意義を児童生徒に伝えてまいります。

◇(3)地域と共に歩む学校づくり
児童生徒が自ら考え判断し、村の将来を担うたくましい人材を育成するためには、社会の変化に対応した教育環境の整備と学校・家庭・地域が一体となり、地域の声を生かした学校づくりを進めることが重要であります。
そのため、学校に対する地域の理解が進むよう、地域公開参観日の設定やHP・学校だよりによる情報発信など、開かれた学校づくりに取り組むとともに、学校を中心とした地域連携を進めるため「コミュニティスクール」の充実を図ってまいります。
学校経営については、学校長のリーダーシップのもと、教職員の研修会参加による資質能力の向上、服務規律の順守や昨今の危機管理・感染症対策への対応など、保護者や地域から信頼されるよう進めてまいります。
学校における働き方改革については、教員が健康でやりがいを感じて働き、授業やその準備に集中できる時間や児童生徒と向き合える時間を確保しつつ、教員の負担を減らすことが求められていることから、その取り組みを推進してまいります。

■二.生涯学習について
◇(1)生涯学習の推進について
泊村の未来を担う青少年が豊かな人間性を身に付けるため、「子供親善大使派遣事業」や「ふるさと体験学習」・「少年少女カルチャー教室」の開催を通じて、学びを広げる活動を展開してまいります。
成人・高齢者教育につきましては、生涯学習への意欲や関心が高まる中で、多様なニーズに応じた学習の機会を提供し、生きがいや自立性を高める取り組みを推進してまいります。
泊村公民館は村民が気軽に集い、学び、地域の文化を創造していく拠点として各種教室・サークル等について、更なる内容の充実を図り、より多くに皆様に参加いただける楽しい学習の場の設定と自主的な活動の助長を図ってまいります。

◇(2)スポーツの振興
スポーツ活動は、青少年の健全育成や高齢者の生きがい活動として、生涯にわたって取り組めることから、地域の住民が積極的にスポーツ活動に参画できる環境の整備を行うとともに、関係団体との連携を図りながら、各種大会の開催など、スポーツの振興に努めてまいります。
また、アイスセンターやとまりカブトラインパークにつきましては、適正な施設の維持管理に努めてまいります。

◇(3)文化・芸術の振興
生きがいや心の豊かさを生む芸術・文化活動の推進につきましては、芸術や文化に親しむ機会を提供するとともに、各種団体による活動の支援に努めてまいります。
鰊御殿とまりは、鰊漁全盛時の歴史的建造物として、村内外からの入館者に親しまれております。今年度は館内の一部修繕を行ったうえで、管理運営の充実に努めてまいります。

以上、教育委員会といたしましては、村の未来を担う子供たちの育成と、村民の皆様が心豊かな人生を送ることができるよう、家庭・学校・地域の連携と関係団体の協力をいただきながら教育行政を執行してまいります。
村民の皆様、議会の皆様、並びに関係各位のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

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