■浦幌町長 井上亨
7月8日から3泊4日の日程で管理職2名と共に徳島県神山町へ研修に行って参りました。
今回のコラムでは研修について触れたいと思います。
神山町は徳島県の中心部に位置しています。人口は約4700人。町の中心には鮎喰川と呼ばれる吉野川の支流が流れており、名前の通り鮎が棲息する清流です。
切り立った山は間伐がしづらく、ブロッコリーのように木々が隙間なく密集しています。中心市街はとてもシンプルで、大きなスーパーは無く飲食店も数件程度。一見すると浦幌の方が都会に感じます。
しかし、この町には今、大きな変化が起こっているのです。
要点だけを表すと次の5点。「棚田再生」「空き家利用」「アーティスト」「神山まるごと高専」「民間主導」。
文字数の都合で詳細は省きますが、「使われていなかったモノを再利用して新しい価値をつける、その実行主体は行政ではなく民間」ということだと思います。荒廃した棚田を再生させ、空き家だった古民家はIT企業の支店として再利用。アーティストが身近にいて芸術を絶やさない。そして2年前に民営の「神山まるごと高専」が設立し若者が増加している町なのです。
移住者でIT企業の経営者に、何故神山町を選んだのですかと聞いたところ、「全国各地からお誘いを受けたがこの町で出会った人と意気投合し、ここで仕事をしたいと思った」と笑いながら答えてくれました。
そういえば、研修中に色々な方とお話しさせていただきましたが、どなたも必死で何かをするというよりは神山での暮らしを楽しむことを優先しているように感じたのです。
そして、神山には誰かがチャレンジすることを周りがサポートする土壌があるようにも思えました。
学びよりも驚きの方が多い研修でしたが、交流も深めることができ有意義な時間となりました。
それにしても、この蒸し暑さは大変。やはり私は浦幌でしか暮らせないようです。
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