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【特集】このまちには、高校生の輝く瞳がある。(1)

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北海道清水町

15歳から18歳の子どもたちが、町からいなくなる―
そのような町の姿を、あなたは想像したことはありますか?

今、町には『清水高校』がありますが、当たり前にあると思っている方が多いのではないでしょうか。全国的な人口減少や少子化は、地方になればなるほど深刻な影響を受け、十勝管内でも高校がない地域があるように、『地域に高校がある』ことは、当たり前ではなくなってきています。

清水高校は今年、創立90年を迎えます。十勝管内の中でも歴史の長い高校で、普通科と酪農科がある時代もありました。平成9年(1997年)には北海道初となる総合学科に転換し、以降、年間約140名の卒業生を送り出してきました。しかし、全国的に生徒の確保が難しく、清水高校も生徒数が減少しています。これまで1学年につき3クラスを保っていましたが、一昨年から入学者人数は2クラス分となり、クラス数の減少が検討されている状況です。

もし、町から高校がなくなったら、どうなると思いますか?

第一に、その年代の子どもたちにとって、学ぶ場の選択肢が減ってしまいます。そして子どもたちは町外の高校へ通うことになり、通学の利便性や家計負担などが要因となって、家族ごと町外へ引っ越すという流れが生まれます。また、高校の教職員数も減り、加速する人口減少によって町の経済に計り知れない影響を及ぼします。

では、地域住民として、「高校は大切な存在」だと思っているだけで良いのでしょうか?

今回、清水町で高校教育に関わるみなさんや清水高校生のみなさんにお話しを聞いてきました。町にあるたった一つの高校の今の姿を、ぜひのぞいてみてください。

■卒業生は1万3千人超
町内では、清水高校卒業生のみなさんが幅広い分野で活躍されています。卒業生お2人に、当時の高校の様子などをお聞きました。

◇二ツ山 守さん
昭和63年度卒業
農業経営(熊牛地区)

当時は4クラスくらいあって、学校祭では山車(だし)を作って駅前で余興して、町のみなさんが見に来てくれましたね。部活が楽しくて、そのために高校に行っていた気がします。私は53歳になりますが、毎年新しいことをやってみようと思って、数年前に清水で初めて長いも栽培をはじめたり、今年新たにブロッコリーを始めたり、そういう気持ちで農業を頑張れているのも、高校で部活を頑張っていた、あの頃の自分のおかげかもしれません。

◇森井 澄江さん
平成3年度卒業
(株)鳥せい商事 専務取締役

当時は学区が決まっていたので、ほとんどの同級生が清水高校に進学しました。気心知れた友達とずっと一緒に成長して、楽しく卒業したなという思い出があります。私たちの会社には清水高校を卒業して5年目と1年目の社員がいますが、一緒に働いていると私たちとは世代が全然違うなと感じます。私たちの世代は人より抜きん出ないと認めてもらえない競争社会だったので、今の子たちは周りをよく見ていて協調性があるなと思います。

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