文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集】このまちには、高校生の輝く瞳がある。(2)

2/19

北海道清水町

■町と清水高校の絆が、深まっている。
地域に高校があることが当たり前ではない時代において、「高校」と「地域」の『協働』の必要性が高まっています。
協働とは、同じ目的のために対等の立場で協力し、ともに働くことを意味しますが、町内の小・中学校と違って、清水高校は北海道立の学校のため、町で管轄することができません。
立場の違う「高校」と「地域」、それぞれの教育現場で、先頭に立つおふたりに、清水町の現状などをお聞きしました。

◇清水町との連携が今、まさに良い形
北海道清水高等学校
校長 増田 康広

今年度から清水高校の校長に就任しました。清水高校は4系列(選択科目のグループ)ある中で、食品ビジネス系列は、自ら育てた野菜を使って食品を製造し、流通や販売までを一つの系列で学べるというのは非常に珍しいと思います。
高校運営の指針として、先生たちに「こども園や、小・中学校との相互交流をぜひ深めてください。今よりもできることがあるだろうから、新たに探ってみてください」と伝えました。自分と異なる世代と触れ合うことで得られるものが必ずあります。高校生が一番年長者なので、責任感を感じるでしょうし、町の子どもたちにも、清水高校生が身近な存在であることを実感してもらいたいですね。
清水高校振興会の支援で、今年は『地域みらい留学』を活用した生徒募集を始めます。道外からの入学者を増やすために始めますが、受け入れ側にも大きな利点があります。他の地域から来た生徒は「あれがすごい、これがすごい」と、町でいろいろな魅力を発見します。そうすると受け入れ側の生徒も、自分の育った地域はすごいのだと認識するわけです。前任の斜里高校も同じ取り組みを行っていて、地域愛を育む生徒の姿を見てきました。十勝で育った生徒にも、十勝や清水町の魅力に気づくきっかけとして欲しいですね。
清水町との連携においても、高校振興会を通じて、今まさに良い形になっています。教育現場と支援者のみなさんが、一つの事業に向けて一緒になって取り組んでいるので、コミュニケーションの機会が増えるにつれて、私は絆が深まっていると感じます。

◇気持ちは“町立”わが町の学校
清水町教育委員会
教育長 山下 勇

清水高校生のみなさんには、幅広くまちづくりに力を貸してもらっています。教育面で言うと、こども園の園児とジャガイモやサツマイモを植えてくれたり、卒園児には手作りプレゼントを贈ってくれています。今年6月には、御影中学校3年生のキャリア教育として、高校のピザ作り実習を見学させてもらいました。町に総合学科の高校があることで、中学生にとっても、考え方が広がる良い機会となっています。
他にも、模擬議会や町観光協会への参加など、地域に密着した活動を通して、若いエネルギーで町に活気を与えてくれています。もし町に高校がなかったら、今の町の姿は保たれていないと思います。町民のみなさんにも、公開授業や学校祭などを通して、清水町で生き生きと学ぶ高校生の姿を、ぜひ見ていただきたいですね。実際に目にすることで、伝わってくるものがあると思います。
今の清水高校は生徒の想いを聞きながら、先生と生徒が一体となって物事に取り組んでいるように感じます。先生たちが、生徒に近い存在となって、寄り添いながら指導しているのだと思います。ここ数年、清水高校の良さが高まり、魅力づくりが推進されていると感じますね。
全国的に子どもの数が減り、生徒数の維持が厳しい状況ですが、せっかく希望を持って入学した清水高校生のみなさんのためにも、清水高校振興会を通した支援を続けていきます。高校は道立学校なので、やむを得ず線引きする部分はありますが、私たちは「気持ちは〝町立〟わが町の学校なのだ」と思っています。

■清水高校は学校生活の指針となる「校訓」を3つ定めています。
食品ビジネス系列3年生
田中 結亜さん

◇自律
自らを律して、自ら学び、自ら考え、自ら行動すること

◇探究
「自分探しの旅」をするとともに、全ての分野で積極的な探究心を持つこと

◇創造
個性を伸ばし、独自の発想と創造する力を養うこと

■清水高校生の地域に密着した活動
社会創造系列2年生
太田 玲亜さん
・昨年度、町観光協会理事を務めた4名は札幌市で開催された特産品物産展に参加し、特産品をPRしました。
・科学技術系列産業科の生徒は、こども園の子どもたちに毎年野菜や花の植え方を教えています。
・地域探究の一環として、自分たちが地域のためにできることは何かを考え、本通公園の遊具を塗装しました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU