執筆者:保健福祉課健康推進係 保健師 西瑞穂
■「非常時の口腔ケア」
災害が発生し普段どおりの暮らしができなくなると、生活リズムの乱れ、食事内容や食事形態の偏り、心身へのストレスなどが原因で体の不調を生じることがあります。特に風邪や気管支炎、肺炎などの感染症が広がりやすくなります。避難生活において体内に菌やウイルスがなるべく入らないようにするためには、こまめな手指消毒、マスクの着用、うがい・歯磨きによる口腔ケアが大切です。口腔ケアはインフルエンザ等の感染リスクを下げ、免疫力がアップします。自分の身を守りながら周囲の人も守るために口腔ケアを行いましょう。
非常時にお口を清潔に保つポイントです。(1)食後に少量の水やお茶を数回に分けてぶくぶくうがいをしましょう。洗口剤を使うと殺菌効果が高まります。(2)水が不足しているときは歯磨き剤を使わずに磨きましょう。歯ブラシがないときはハンカチやタオル、ティッシュペーパーなどを指に巻き付け、歯の汚れを拭き取りましょう。(3)食事やガムをよく噛んで食べて唾液をたくさん出しましょう。唾液腺マッサージやお口の体操も効果的です。(4)入れ歯を使用している方は可能であれば毎食後、少なくとも1日1回は外してウェットティッシュやガーゼなどを使って汚れを取りましょう。部分入れ歯は針金の部分などが複雑な構造の場合が多いため義歯用ブラシや歯ブラシ、綿棒などでお手入れしましょう。
災害に対する備えとして、歯ブラシ、コップ、洗口剤、入れ歯ケースや洗浄剤、義歯ブラシなどを非常用持ち出し袋に入れておきたいですね。また、日頃から何でも食べられる口腔状態を維持するために定期的に歯科健診を受け、お口の健康管理をしましょう。
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