■(4)互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり
◇地域共生社会の実現
市民の誰もが、年齢や性別、あるいは障がいの有無にかかわらず、健康を維持し、元気に社会参加できることが重要です。
コロナ禍により、活動の機会や習慣を失った、元気な高齢者の皆さんの身近な地域での社会参加を再び活性化させることを目的として、活動に必要な備品等の整備を支援します。
◇地域医療の充実
市立稚内病院においては、着実に医療提供体制の充実が図られているところですが、今後も、充実した地域医療体制の確立を目指すとともに、在宅での医療ニーズが高まっている状況を踏まえた在宅医療センターの設置に取り組みます。
◇介護人材の確保
市内の各介護サービス事業所等が、深刻な人材不足の状況にあり、引き続き、「介護人材確保・育成検討会」などの場で、介護資格の取得支援や外国人材の確保などについて、事業者の皆さんと役割分担をしながら、取組を進めます。
◇鳥獣被害防止対策
これまでも様々な工夫をしながら、毎年800頭以上のエゾシカを捕獲し、個体数の減少を図っているところです。
今後も、北海道や関係団体などと、より一層連携しながら、ライフルや「わな」を用いた捕獲を継続し、交通事故などの生活被害や農業被害の防止に努めます。
◇安心・安全なまち
消費生活については、被害相談の件数に大きな変動はないものの、幅広い年代から相談が寄せられており、特殊詐欺などについては、手口が多様化、巧妙化しています。
丁寧な啓発活動・情報発信を通して、被害の未然防止に努め、市内のみならず管内の消費者の安全・安心を確保します。
交通安全については、今年1月、「交通死亡事故ゼロ500日」を達成したところであり、事故件数も減少傾向にあります。引き続き、関係機関や団体との連携による意識啓発など、交通安全運動の取組を推進します。
稚内警察署や関係団体と連携を深め、子どもたちの見守り活動や、青色防犯パトロールの取組を継続します。
◇消防救急体制の強化
防火指導などの予防活動を徹底し、火災を未然に防ぐ取組に努めるとともに、隊員の技能向上を図り、市民の皆さんの生命と財産を守ります。
また、地域における防災意識を向上させ、若年層が参加しやすい環境を整えながら、消防団員の確保に努めます。
◇カーボンニュートラルの推進
市民生活などにより排出される二酸化炭素を削減することに、より重点を置いて、公共施設や街路灯のLED化、また公用車のクリーンエネルギー化を継続するとともに、家庭における省エネ推進への取組を進めます。
◇DXの推進
DX推進アドバイザーの支援を受けながら、取組の成果を実感できるものとするため、生成AIやプログラミングの知識がなくても使えるノーコードツールの活用など、デジタル技術を積極的に活用した業務の変革に、具体的に踏み出したいと考えています。
また、DX推進アクションプランに位置付けた取組を着実に進めるとともに、公式ホームページのリニューアルやSNSなどを活用した行政情報発信の変革にも取り組みます。
■(5)まちを愛し、世界に誇れるふるさとづくり
◇国内外の交流
市内の中高生を鹿児島県枕崎市に派遣し、日頃の生活の中で触れることのない文化や歴史、産業に触れることで、知識や視野を広げてもらうことを目的とした、青少年交流体験事業を実施します。
また、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などにより、長く休止を余儀なくされているサハリン事務所については、本市が置かれている地理的特性には何の変化もなく、これまでの活動目標を次代に引き継ぐためにも、今は活動を休止しますが、今後の状況を慎重に見極め、国や北海道など関係機関からの情報をいただきながら、機能の存続を図ります。
◇関係人口・交流人口の拡大
毎年、全国各地の多くの皆さんから、多額の寄付をいただいている「ふるさと納税」については、交流人口や関係人口を増やすためにも、現地決済型・体験型と呼ばれる寄附の仕組みなどについて、研究を進めます。
また、「民間企業との包括連携協定」の枠組みを活用しながら、連携を進めるとともに、本市のまちづくりに関心を持っていただく市外の企業を増やすため、「企業版ふるさと納税」にも取り組みます。
■むすび
これまでも人口減少社会の到来を踏まえ、人口ビジョンを示し、地方創生総合戦略を立て、取組を進めてきました。
ただ、現行戦略については、国などの動きや社会情勢の急激な変化を踏まえ、現在改訂作業を進めており、今年夏頃には策定を終え、令和6年度は新しい戦略の下で進むスタートの年となります。
いま本市が求められている「人口減少」、「人材確保」、「地域医療」の3つの課題の克服はもとより、私たちを取り巻く社会的な課題である「DX」や「ゼロカーボン」の推進など、人口減少社会において、この街をより確かな、あるべき姿に導いていけるような取組を、今後とも市民の皆さん、市議会議員の皆さん、そして職員とともに進めていきたいと、決意を新たにしているところです。
より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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