ゼロカーボンとは、温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを目指す取り組みや概念のことを言います。これは、温室効果ガスの排出量削減と森林保全等によるCo2等の吸収量増加によって達成されます。ゼロカーボンを実現するためには、エネルギー効率の向上、電気自動車の普及、建築物の省エネ設計、そしてカーボンオフセット(植林やカーボンキャプチャ技術※等)などの活用が必要です。
ゼロカーボンの実現は、地球温暖化の進行を食い止め、次世代へより良い環境を残すための鍵となります。芽室町でもゼロカーボンシティ宣言をしましたが、これを達成するためには、町民(個人)、事業者、行政が協力し合うことが不可欠です。すまいるでは、毎号「動き出すゼロカーボンのまちへ」という企画でゼロカーボンに関する話題を発信しています。今後、取り組み事例なども紹介していきますので、参考にしながら、出来ることから行動していきましょう!
※…二酸化炭素を発生源で回収し、地下へ貯留する技術のこと。
■将来ビジョンを達成するための施策(抜粋)
1.省エネへの取組実践・省エネ型機器の導入
2.住宅・事業所・公共施設等への再生可能エネルギー導入
3.公共施設、街路灯のLED化
4.省エネ型建物(ZEH※1、ZEB※2)の普及
5.次世代自動車の導入、更新
6.省エネ型農業機械の導入
※1 ZEH(ゼッチ)…高断熱・高気密化、高効率設備によって使うエネルギーを減らしながら、太陽光発電などでエネルギーを作り出し、年間で消費する住宅の正味エネルギー量がおおむねゼロ以下になる住宅のこと。
※2 ZEB(ゼブ)…快適な室内環境を充実しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。省エネによって使うエネルギーを減らし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギーの消費量を正味ゼロにすることができる。
■2050年排出量実質ゼロを目指して芽室町ゼロカーボンシティ宣言をしました
環境省では、2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を知事や市区町村長自ら又は地方自治体として公表した地方自治体を『ゼロカーボンシティ』としています。
町では令和6年5月、芽室町地球温暖化防止実行計画(区域施策編)を策定しました。この計画策定によって取り組むべき事項が明確になり、具体的にゼロカーボンを目指す方向性が定まったことから、このたび芽室町として『ゼロカーボンシティ宣言』をしました。
今後、町としてさまざまな事業等に積極的に取り組むこととなります。町民・事業者の皆さんも、温室効果ガス(二酸化炭素)排出量実質ゼロに向けて一緒に取り組んでいきましょう!
芽室町ゼロカーボンシティ宣言
近年、地球温暖化が原因とされる気候変動の影響により、猛暑や豪雨といった異常気象が頻発しており、我が国においても集中豪雨や台風等による自然災害が増加傾向にあります。
本町においても、2016(平成28)年8月に4つの台風が上陸又は接近し、中でも台風10号による大雨の影響により、住宅、道路、橋梁などが甚大な被害を受け、身をもって「気候危機」を認識させられる経験をしました。
地球温暖化は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス排出量の増加が最大の原因と言われています。政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を掲げ、北海道においても再生可能エネルギーの導入や森林資源など地域資源を最大限活用しながら脱炭素化と経済活性化や持続可能な地域づくりを同時に進める「ゼロカーボン北海道」の実現を推進するなど、脱炭素化への取組が進められています。
本町では、2009(平成21)年に「芽室町地域新エネルギービジョン」を策定し、これまでも再生可能エネルギーの導入・普及などに取り組んでまいりましたが、現在の国や北海道の考え方などを踏まえつつ、2024(令和6)年5月、省エネルギーの促進や新たな再生可能エネルギーの導入など、幅広い分野における具体的な取組内容を定め、本町の温室効果ガス排出量削減に向けて町全体で取り組むべき事項を具体化した「芽室町地球温暖化防止実行計画(区域施策編)」を策定しました。
このまちの素晴らしい自然や、快適で安全な暮らしができる環境を将来の世代に引き継いでいくため、町民・事業者・行政が一体となって取組を進め、2050年までに温室効果ガス(二酸化炭素)排出量を実質ゼロにする「芽室町ゼロカーボンシティ」の実現を目指すことをここに宣言します。
(令和6)年9月3日 芽室町長 手島旭
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