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あしょろ自然誌 Vol.54

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北海道足寄町

◆コウヤノマンネングサ(高野之万年草)
地上5〜10cmほどの高さで、まるで小さなヤシの木のようなコウヤノマンネングサ。コケ植物ですが名前にコケと付きません。茎は地中を伸びる地下茎と直立する地上茎に分かれ、上部は湾曲し樹状に枝を出します。地上茎の下部にはうろこ状の葉、上部には卵形の葉が付きます。毎年地下茎から芽を出すので年次生長が良く分かります。
名の由来である高野山では16世紀に霊草として知られ、土産物とされていました。旅人の安否を占う道具とされ、乾燥した状態のコウヤノマンネングサを水に浮かべ、葉が開けば旅人は無事、開かなければ亡くなっていると解釈していたようです。
最近では、ガラス容器の中に自然を再現するテラリウムでの利用に人気があり、栽培品が販売されています。国内全土からアジアに広く分布し、山地の林下の湿った地上に群生します。町内では雌阿寒岳や湯の滝周辺で見られます。寒い季節でも足下に広がる緑の世界をのぞいてみませんか。

詳細:九州大学北海道演習林(山内康平・榎木勉)
【電話】25-2608

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