人口減少や少子高齢化による利用客の減少や2024年問題(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の改正)による運転手不足により、減便や路線が廃止されるなど、公共交通を取り巻く環境は一層厳しさを増し、利用者へのサービス確保が非常に難しい状況になっています。
しかし、通勤・通学や通院、買い物など、私たちの日常生活にとって、公共交通はなくてはならないものです。皆さんは、今、路線バスやタクシーが「走っているのが当たり前」という状況ではなくなってきていることをご存じですか?
大切な移動手段である公共交通を未来に残していくために、私たちに何ができるのか考えてみましょう。
◆九十九里町の公共交通ネットワーク
現在、路線バスでは、九十九里鐵道株式会社(片貝線・豊海線)が、本町と東金市方面との間を、ちばフラワーバス株式会社(海岸線)が、本町と山武市方面との間を運行しています。
また、高速バスでは、小湊鐡道株式会社(白子~東京線・千葉~白子中里線)と九十九里鐡道株式会社(九十九里ライナー)が、本町と東京方面および千葉方面との間を運行しています。
加えて、バスの補完としてタクシーが運行しています。
◆公共交通の4つのメリット
(1)環境にやさしい
一度に多くの人が乗車できる公共交通は、車よりも二酸化炭素の排出量が少なくなります。人ひとりを1km運ぶと仮定した場合、二酸化炭素の排出量は、バスであれば自動車の半分以下で済みます。
(2)事故リスクの低減
交通事故の少ない公共交通を利用することで、交通事故の加害者・被害者になるいずれのリスクも低減できます。
車の運転中に交通事故が起きたとき、その運転手は加害者になる場合があります。一方、公共交通は交通事業者の運転手が運転しているので、交通事故の加害者になることはありません。
(3)家計にやしい
車を維持するためには、車両購入費のほかに、ガソリン代や車検、保険料などさまざまな費用がかかります。公共交通は主に運賃のみの経済的にやさしい乗り物です。
(4)運動量の向上
健康寿命を延ばすためには、運動が大切です。毎日少しずつでも運動するだけでも健康につながります。公共交通を利用するとバス停からの移動で歩く機会や距離が増え、日常的な運動量が多くなります。
◆公共交通がなくなると
最近、九十九里町で運行しているバスやタクシーに乗りましたか?
町内には、公共交通機関であるバスやタクシーが走っていますが、利用者数の減少や運転手不足により公共交通をめぐる環境が非常に厳しくなっており、減便や路線の廃止が全国的におきています。
利用者が減少すると、減便や路線の廃止につながり、そして利便性が悪くなると、さらなる利用者の減少を招く悪循環に陥ってしまいます。
一方で、高齢化社会を迎え、高齢により運転ができなくなった、あるいは自家用車を持たない高齢者や車に乗せてくれる家族や知人がいない方が増加し、公共交通の必要性がさらに高まることが想定されます。
今は自家用車などでの移動が多く、公共交通を利用する必要がない方でも、いつ公共交通を利用する必要性に迫られるかわかりません。今、公共交通を利用しないと、いざ必要となった時に公共交通がなくなっているかもしれません。公共交通がなくなってしまうと、自由に買い物も通院もできなくなってしまいます。
◆公共交通を守るために
公共交通を守るためには、皆さんが未来の公共交通を想像し行動していただく必要があります。「走っているのが当たり前」の公共交通の運行を続けることが難しくなってきている現状を理解し、地域のみなさんが自ら一員となり公共交通を守ろうという意識を持ちましょう。
例えば、自家用車で移動する際、たまにはバスやタクシーを利用してみてはいかがでしょうか?事業者の収益が上がって、路線の存続が可能になり公共交通を必要としている方の移動手段が確保されるかもしれません。
皆さんの大切な「地域の足」である公共交通を守るためには、多くの方に公共交通を利用していただくことが大切です。通勤、通学、買い物などの際は、ぜひ公共交通を利用してみてください。
問い合わせ:企画政策課地域政策係
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