シリーズめっけたぁ!!おらがの文化財(91)～南房総市内の文化財を紹介します～

27／28

■県指定天然記念物
『岩井ノ蘇鉄(いわいのそてつ)』
所在地/竹内(たけのうち)234(富山地区)
所有者/個人

□全国有数とされる大きなソテツ
岩井ノ蘇鉄は、竹内集落の民家の庭先にあるソテツの巨木です。樹高は約8ⅿ、根回りは約6.5ⅿに及び、一株から分かれた複数の幹がまっすぐ伸びた印象的な姿から、地元の人々は「大蘇鉄(おおそてつ)」の愛称で呼んでいます。
ソテツは、ソテツ科に属する常緑低木(じょうりょくていぼく)であり、東アジア一帯の比較的温暖な地域に自生しています。一見すると、葉や樹皮がヤシ科の樹木と似ていますが、異なる種類の樹木です。
南房総には多くのソテツが生育していますが、岩井ノ蘇鉄はその中でも特に大きな個体であり、静岡県河津町(かわづちょう)にある国天然記念物の新町(しんまち)の大ソテツ(樹高約10ⅿ)に次ぐ、全国でも有数の大きさと言われています。しかし、これほど大きく育った理由はわかっておらず、正確な樹齢も不明です。
一説では、千年前から生えていたと言われており、平安時代の末期には、石橋山(いしばしやま)の戦いに敗れてこの地へ来た源頼朝(みなもとのよりとも)(1147～1199)が、岩井ノ蘇鉄を鑑賞して称賛されたという伝承も残されています。
現在でも、所有者が定期的に葉の剪定や害虫駆除などの管理を続けており、地域を代表するソテツの古木として大切に守られています。

□公開
・常時公開(個人の宅地内ですが見学は自由となっています)
・トイレなし/駐車場あり

*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。

問合せ：教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963