通いの場とは、体操や趣味活動などを通じて、高齢者の方が「生きがいづくり」や「仲間づくり」をする場です。市では、介護予防を目的に東金市ロコモ体操をきっかけとした通いの場づくりを推進しています。
◆効果
◇体力測定(通いの場参加者81名、平均年齢77.2歳)
体力測定の項目で、「10m歩行速度」「足趾(そくし)把持(はじ)力」「片足立ち」は下肢の機能を評価するもので、「転倒」「骨折」「寝たきり」のリスクと関係しています。
参加者の平均値は、同年代の平均などを参考にした値よりも良い結果でした。
・片足立ち(秒)
参考 PTジャーナル…高齢者の運動機能と理学療法.2009,9. 1
・足趾(そくし)把持(はじ)力(kg)
※立っている時に、足の指でどれだけ踏ん張る力があるかの検査
参考 Uritani Dら. J Foot Ankle Res.2014 May 13 1
・10m歩行速度(m/秒)
※1秒間にどれだけ進めるかの検査
参考 Bohannon Rw. Age Ageing 1997 26(1):15-19 1
体力測定会には、通いの場参加者や公募で集まった市民135名にご参加いただきました。ご協力ありがとうございました。
◇アンケート(通いの場参加者96名)
アンケートでは、通いの場参加者は、全国と比較して自分の健康状態が良く、毎日の生活に満足している方が多いという結果が出ました。また、友人宅へ積極的に訪問しており、定期的な運動が習慣化されていました。
・あなたの健康状態はいかがですか(よい、まあよい)
参考 「令和4年度 高齢者の健康に関する調査」(内閣府)
・毎日の生活に満足していますか
いつまでも住み慣れた地域で自分らしい生活ができるように、通いの場に参加してみませんか。
◆通いの場参加者の声
・1人で運動しても続かないけど、皆さんと一緒だと楽しくて続けられる。
・運動を継続しているからか、劇的な変化はない。ただ、年を重ねても膝や腰の痛みがないのは運動の効果なのかも。
・みんなと会って話すのが楽しい。
・年を重ねてもできる運動。通いの場なら続けられる。
◆城西国際大学の総括
◇理学療法学科の教授
ロコモを予防するには、ウォーキングを習慣化して、足の筋力を維持することが大切です。また、背骨を伸ばすことは大きく息を吸うことにつながります。座っている時や歩く時など、生活の中では良い姿勢を意識しましょう。
◇看護学科の教授
今回の参加者は、他県データと比べてロバスト(健康)の方々の割合がやや多く、体力的にも全国的な一般データよりもやや良い成績でした。また、通いの場に通っている方は、通っていない方に比べて、統計分析上も、定期的な運動習慣が身についていました。
◆理学療法学科の教授のワンポイントアドバイス
◇呼吸機能の維持にむけたトレーニング(腹式呼吸)
(1)仰向き、または背骨をのばして座った姿勢で、両手のてのひらを重ねておへそのあたりに置きます
(2)鼻から息をゆっくりと吸いながら、おへその部分がてのひらを押すようにお腹の動きを意識します
(3)口から息をゆっくりと吐きます(おへそが元の位置に戻ります)
(4)起床時と就寝前に(2)と(3)を10回ほど繰り返しましょう
◇ロコモ(ロコモティブシンドローム)とは
骨の病気、筋力の低下、バランス能力の低下によって転倒・骨折しやすくなることにより、自立した生活ができなくなり、介護が必要となる危険性が高い状態を示します。
問合せ:高齢者支援課
【電話】50-1165
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