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先人たちの足跡 No.287

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千葉県栄町

■栄町の寺社にみられる龍の彫刻
今年の干支は辰ですが、栄町で龍と言えば、何を連想されるでしょうか。栄町のイメージキャラクターである龍夢(ドラム)くんをまず連想される方が多いかもしれませんし、龍夢くんの命名の由来となった龍伝説を伝える龍角寺を連想される方もきっと多いことでしょう。龍角寺は、県内最古の仏像である「銅造薬師如来坐像」(旧国宝、現国指定重要文化財)を本尊とすることでも有名ですが、当像は江戸時代(元禄期以降)に製作された宮殿(くうでん)に安置されています。宮殿の扉の両脇には、分厚い龍の彫刻があり、正面の屋根下の垂木(たるき)の一つ一つにも龍の頭が彫刻されています。(なお、宮殿は通常公開されていません。)
大変貴重な仏像が今日まで伝わってきた背景には、仏像を安置する宮殿を製作した江戸時代の大工や彫物師の存在がありました。
そして、龍角寺から目を転じると、まちなかには、龍の彫り物がある神社仏閣の存在に気が付きます。
安食の大鷲神社や駒形神社には、本殿の本柱と向拝柱(こうはいばしら)をつなぐ海老虹梁(えびこうりょう)に龍の丸彫りがあり、県内の寺社建築では、この2社を含めて4例しか類例が確認されていない大変希少なものです。
布鎌地域の請方の十九番大師堂には、正面上部の中備(なかぞなえ)に、立派な龍があしらわれています。中備に彫られた龍は、矢口の一之宮神社や、北辺田の天満宮にもみられます。
布鎌地域の布太の雙林寺八十八番大師堂には、正面2本の向拝柱に龍の丸彫りがあり、県内の寺社建築では、当寺を含めて9例を数えるのみです。北辺田の天満宮には、中備の両脇の木鼻にも龍が刻まれています。この他にも、北辺田の金刀比羅神社や、布鎌地域の中谷の八幡神社、布太の土師神社などの寺社に龍の彫刻を確認することができます。
今年の初詣は、龍の彫刻を意識されてみてはいかがでしょうか。

問合せ:生涯学習課文化財班
【電話】95-1112

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