今月のテーマ:血管の老化(動脈硬化)を防ごう
保健師:藤生 智子
■動脈硬化とは
「動脈硬化」とは、動脈の血管が厚く、硬くなり、血液の流れが悪くなった状態をいい、血管の老化現象の一つです。私たちの体には、頭から足先まで血管が張り巡らされています。心臓から送り出された血液はこの血管内を通り、体のすみずみに酸素や栄養を届けたり、老廃物や二酸化炭素を回収するなど、生きるうえで必要な役割を果たしています。
動脈の血管壁は、心臓の拍動による血圧の変化に耐えられるように厚い壁で出来ています。静脈の血管壁は、動脈よりずっと薄く柔らかい壁をもち、血管内には弁がついているので、血液は一方通行に流れ、少しずつ心臓に戻っています。また、動脈のように高い血圧が加わっていないので硬くなりません。
■生活習慣病が動脈硬化のリスク要因
血管の老化は加齢だけが原因ではありません。高血圧や脂質異常、糖尿病などの生活習慣病は動脈硬化のリスクを高めます。
その理由として、高血圧は血管壁にぶつかる圧力が常に高くなるので血管壁を傷つけやすくなります。
脂質異常で、LDLコレステロールなどの過剰な脂質が増えると、その脂質は血管壁に付着してプラーク(塊)となり血管壁を厚くして詰まりやすくなります。
血糖が高い糖尿病は、血液中にブドウ糖が増えると、血管壁にある内皮細胞に入り込み、活性酸素を発生させます。過剰な活性酸素は血管壁を傷つけ動脈硬化を進行します。動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞など、命にかかわる病気の発症につながります。
●血管の若返りには、食生活の改善を
○まずは減塩!
・いつものお醤油を減塩醬油に変える(かけすぎは結局同じ塩分量になるので注意)
・醬油は直接かけずに小皿を使ってつけるようにする
・そば、うどん、ラーメンなどのスープは残す
○タンパク質を摂って血管を元気に強くする!
・納豆、大豆、豆腐などの大豆製品
・マグロ、カツオ、サバなどの魚
・鶏のむね肉、ささみなどのタンパク質を積極的に摂る
○エネルギーや動物性脂肪の摂りすぎに気を付ける!
・動物性脂肪(肉の脂身やバターなど)や糖質を摂りすぎない
・野菜を積極的に摂る1日に必要量は両手1杯(350g/人)
○血糖のコントロールを意識する
・野菜や海藻類から食べ始める
・糖質の多い主食のごはん、パン、麺類は適量にする
・間食に甘いものを食べ過ぎないようにする
※食事の見直しとともに、運動することで血管を強くします今の生活にプラス10分のウォーキングを取り入れましょう
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