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病気の豆知識

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千葉県長柄町

◆食中毒について
塩田記念病院 内科 医師 鶴岡 淳

年々、夏の暑さが増している為、食中毒についてお話します。食中毒とは、何らかの有毒・有害物質が入った飲食物を摂取することで、胃腸炎などの急性障害を引き起こす疾患です。症状としては腹痛・吐き気・嘔吐・下痢などが多く、頻回な嘔吐・下痢で脱水状態に陥り、救急要請となる場合があります。生牡蠣等に含まれるノロウイルスによる食中毒は冬場に多いですが、夏場に多い食中毒は細菌によるものです。細菌による食中毒は「感染型」と「毒素型」に分けられており、「感染型」は体内で増殖した細菌自体が原因で、「毒素型」は細菌が食品中で作り出した毒素が原因です。また「感染型」は加熱で予防できますが、「毒素型」は加熱で予防することが出来ません。

そこで今回は「毒素型」について紹介させていただきます。代表的な原因菌として、黄色ブドウ球菌・ウェルシュ菌などがあります。黄色ブドウ球菌は約3割の健常人の皮膚に常在しているため、素手で握ったおにぎりなどを食べた時に発症することがあります。そのため、なるべくビニール手袋でおにぎりを握るか、ビニール手袋がない場合は手を石鹼で丁寧に洗ってから握るようにしましょう。

ウェルシュ菌はカレーなどの煮込み料理に含まれます。またウェルシュ菌は高温になると芽胞を形成します。芽胞は100℃の加熱に耐え、12-50℃で通常の細菌に戻ります。例えばカレーを作る時の加熱で芽胞が形成され、残ったカレーを冷蔵庫に冷やし、不十分な加熱で2日目のカレーを食べると、ウェルシュ菌が増殖した状態のカレーを食べることになり、食中毒となります。そのため、なるべくカレーは1回で食べきるか、残ったカレーを再加熱する時に鍋底までかき混ぜ、中心までしっかりと加熱するようにしましょう。

以上が「毒素型」の食中毒を予防するための方法ですが、「感染型」も加熱をしても生の鶏肉や豚肉などを触った手で調理器具や料理に触ることで、食中毒を起こすことが多いので注意する必要があります。皆様、食中毒には気を付けましょう。

問合せ:医療法人塩田記念病院
【電話】35-0099

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