11月1日~30日は「同和運動推進月間」/11月11日~12月10日は「人権を考える強調月間」
■同和運動推進月間
今年は全国水平社が創立されてから101年、和歌山県水平社が創立されてから100周年を迎えました。
全国水平社とは、全国の部落差別に苦しむ人々が、差別からの解放と人間としての自由、平等の権利を取り戻そうと立ち上がり結成した組織のことです。
また、同和問題(部落差別)とは、日本社会の歴史的発展の過程において形成された身分階層構造に基づき、現代においても日常生活の上でさまざまな差別を受けるなどの、わが国固有の著しく不合理な人権問題のことです。
同和地区出身であることなどを理由に、結婚問題で周囲が反対することや就職に際しての不公平な採用選考、同和地域やその関係者に対する偏見から、差別発言や所在調査、行政機関に問い合わせるなどの事例が発生しています。また、情報化の進展により、インターネット上での誹ひぼう謗中傷や差別的な書き込みが行われるなど、新たな差別事象が発生しています。
差別の形態が変化している状況などを踏まえ、平成28年には「部落差別の解消の推進に関する法律」が制定されました。和歌山県においても、令和2年3月に「和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例」が施行されている中で、市においても、部落差別は許されないものであるとの認識のもとに、同和問題に対する正しい理解と解決に向けた人権教育や啓発活動を推進しています。
本市の意識調査において、同和問題について知ったきっかけ(表1)について、年代別にみると18歳から20歳未満、20歳代では「同和問題のことは知らない」が最も多くなっています。
また、同和問題がなお存在する原因や背景として思い当たるのはどれかという設問(表2)では、「家族や親せきの人から伝えられる偏見・差別意識」が最も多く、「行政がいつまでも同和問題を取り上げる逆効果」、「職場や地域の人から伝えられる偏見・差別意識」が続いています。
人から伝えられる情報が必ずしも正しいとは限りません。同和問題を解決するためには、人権意識を高めることと、この問題を正しく理解することが大切です。自分は差別に関わっていないからと無関心でいたり、偏見や差別意識に基づく誤った認識をもっていては、同和問題は解決できません。私たち一人一人が同和問題に対する理解を深め、「差別の意識を次の世代へと残さない」という認識のもと、この問題を自分のこととして考えていくことが大切です。
■インターネット上での人権侵害に注意しましょう
インターネット上で他人を誹謗中傷したり、個人の名誉やプライバシーを侵害する、また偏見や差別を助長するような情報を発信するといった事例が発生しています。
市では、インターネット上で、特定の人物や地域についての差別的な表現の書き込みや誹謗中傷などの人権侵害に関する悪質な書き込みの調査(モニタリング)を実施しています。重大な人権侵害にあたる書き込みや悪質な書き込みを発見した場合は、国や県と連携し、プロバイダなどに削除要請を行っています。
発信した情報は発信者の意図にかかわらず、人権侵害につながる危険性があります。インターネットで情報などを発信する場合は、正しい理解のもと、人権を尊重することを忘れず、個人情報に十分注意し、ルールやマナーを守ってインターネットを利用しましょう。
また、市内特定地域、市民に対する悪質な書き込みを発見した場合は、人権施策推進課まで情報提供をお願いします。
■令和元年度実施の人権に関する市民意識調査結果
※回答の一部を要約して掲載
無作為に抽出した市内在住の18 歳以上の市民2,000 人を対象に実施。結果の詳細は報告書として取りまとめ、市ホームページ(【URL】https://www.city.kinokawa.lg.jp/)または河北・河南図書館で閲覧できます。
Q.同和問題について、どういうきっかけで知りましたか。
▽表1
Q.同和問題がなお存在する原因や背景として、特にあなたが思い当たるのは次のどれですか。
▽表2
問合せ:人権施策推進課
【電話】77-2511(本庁4階)
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