文字サイズ
自治体の皆さまへ

わたしのまちの文化財 vol.199 西田中神社の保存修理

33/40

和歌山県紀の川市

中井阪に鎮座する西田中神社では、現在和歌山県指定文化財(建造物)、羊宮神社本殿・八幡神社本殿保存修理事業が行われています。平成4年から6年にかけて大規模な解体修理工事と正遷宮が実施されましたが、約30年の年月が経ち檜皮葺屋根と彩色の剥落などの劣化が生じたもので、令和5年から6年までの2ヵ年の歳月をかけて修理を行っています。
羊宮神社は、社伝(和歌山県神社庁にある由緒)によると、陸奥国牡鹿郡雫(現宮城県牡鹿郡女川町)の羊ケ崎神社から勧請したといわれ、建治3(1277)年の文書に「田中庄未宮」とあることから鎌倉時代には既に羊宮があったことが分かります。この建物は、一間社隅木入春日造で建築様式から室町時代末期、天文年間以前の建立と推定されています。特に向拝木鼻の鯱は現存する神社で唯一のもので、その裏側の波の彫刻や、左右異なる透かし彫りの手鋏など県内でも珍しい彫刻が施されています。
八幡神社は、もとは尾崎字西脇にあって太平洋戦争の終戦後、羊宮に移築されました。この建物は、二間社流造で勾欄の擬宝珠には寛永12(1635)年の銘があり、江戸時代初期の建立であることが分かります。彫刻は、蟇股の「松と鷹」(右側)「竹・梅に鶯」(左側)手鋏の牡丹の透かし彫りなどが優れており、当時の様式を伺うことができます。
令和6年2月には屋根工事の見学会が行われました。引き続いて4月には色彩修復作業の見学会が計画されています。30年に一度のこの機会に、ぜひ見学に訪れてみてはいかがでしょうか。

■30年ぶりの保存修理!西田中神社見学会を開催
現在、西田中神社では県指定文化財である本殿2社の檜ひわだぶき皮葺屋根の葺ふき替えや塗装の保存修理を行っています。
30年ぶりとなるこの機会に歴史ある神社を見学してみませんか?

日時:4月20日(土)(1)午前10時~/(2)午後1時30分~(各回30分程度)
場所:西田中神社(中井阪353番地)
内容:県文化財センターの建造物専門員が保存修理について解説。
※申込不要・参加無料

問い合わせ:西田中神社屋根等修繕工事委員会事務局 三谷
【電話】090-1442-9141

*****************************
問合せ:紀の川市文化財保護審議会
【電話】77-2511(生涯学習課内)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU