令和7(2025)年、大宮盆栽村は開村100周年を迎えます。
名品盆栽の聖地と知られる大宮盆栽村は、国内外から多くの愛好家が訪れます。また、区内には公立では世界初となる大宮盆栽美術館が開設され、北区は盆栽と密接な関係にあります。
こうした中、世界に誇る盆栽文化を継承し、次代へつないでいく活動をしている方々がいます。そこで、盆栽や活動に込める思いを伺います。
盆栽教室で挨拶を終えた佐野さんにお話を伺いました。
■佐野嘉則(さのよしのり)さん
さいたま市立植竹小学校第24代校長。さいたま市内の学校、さいたま市教育委員会を経て、令和5年度より着任。写真は校内にある盆栽庭園で「マイ盆栽」とともに。
◇着任前から盆栽教室はご存じでしたか?
市内各所の学校で勤務をしてきましたが、着任前から植竹小といえば盆栽というのは、とても有名でした。植竹小では「盆栽教育」が総合的な学習の時間の年間指導計画に位置付けられており、その計画に基づいて盆栽教室を実施しています。盆栽教室は今年で19年目となりました。5年生になると、「マイ盆栽」をつくり、6年生ではせん定をします。地域性を生かした独自のものであり、さいたま市の多くの学校からも注目されている取り組みだと思います。
◇着任後の盆栽教室の印象は?
一人一鉢の「マイ盆栽」を持つことは、子どもたちにとって、嬉しいことだろうなと強く印象に残りました。盆栽教室後の盆栽を大切にしようとする子どもたちの意識の高まりは、行動に表れます。学校にある盆栽庭園で水やりをし、大切に育てます。そして、「マイ盆栽」とともに卒業していくということに感銘を受けました。
◇盆栽教室で子どもたちに伝えたいことは?
盆栽は生きている、命あるものです。命あるものを大切にする心を持ってほしいと思います。また、盆栽は日本の伝統、文化がぎっしり詰まっています。肌で感じられることはとてもすばらしいことであり、そのことに関しても喜びを感じてもらいたいです。肌で感じて、よく知って、日本の良さを発信するきっかけになればと思います。そして、令和7年に大宮盆栽村開村100周年を迎える中、この時代を生きている子どもたちが、将来植竹小での経験を語ってくれたら嬉しいですね。
◇佐野さんにとって、盆栽とは?
「和」です。盆栽は、長きにわたり日本の人々に愛され、大切に受け継がれてきた日本の伝統文化です。それだけに「和」という言葉がピッタリきます。また、「和」は「和(なご)み」とも読み、気持ちがやわらいだ様を意味する際に使われます。盆栽を眺めていると、なんだか不思議と心が落ち着きます。
問合せ:北区役所コミュニティ課
【電話】669・6020【FAX】669・6161
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