◇市と医療機関の連携が地域医療をつくる
三宮市長:当市では、令和4年に貴院と包括連携協定を締結し、貴院との連携、地域に根差した医療機関としての連携を進めさせていただいております。
その中でも、子育てに関する施策について、触れさせていただければと思います。
当市においても課題となっている少子高齢化・出産数の減少ですが、この状況のなか、子育てに困難を抱えている方が増えておられます。特に出産後は生活や心身の変化が非常に大きく、育児を肯定的にとらえることが難しい状況があります。
市としてこの状況をサポートすべく、出産直後に心身を休めながら育児に向き合っていけるような体制作りとして、「産後ケア事業」を実施しています。
日中支援をするデイサービス型に加え、令和5年度からは医療機関に依頼する宿泊型の産後ケアも開始し、貴院にもご協力をいただいております。
佐藤病院長:おっしゃる通り、子どもを安心して産み、そして育てていくことができる環境づくりは地域として重要なことであり、その中で我々医療機関ができることは、充実した周産期医療の提供だと考えています。
市から宿泊型産後ケア事業のお話をいただいた後、産科を中心に話し合いを重ね、事業の実施体制を整えてきました。この事業により、産後のお母さんが休息し、色々な悩みを相談できる場を整えることで、育児の不安の解消につなげていきたいと思います。
今後も市と連携し、体制を整えて、産後のお母さんたちの受け入れを進めていきます。
三宮市長:産後ケア事業を利用した皆さんに、利用後アンケートへのご協力をお願いしていますが、病院に対する満足度は大変高いようです。
佐藤病院長:育児で疲れている方にとって、ご自身の休養が取れる環境を提供できたことが良かったようです。心身の疲れを取り、育児相談もできる当院の体制に満足いただきました。食事についても、産科一般食の他、ドリーム食という少し豪華な食事を選択することができます。休養しながら美味しい食事を召し上がることも、心身の元気につながる要素かと思います。
三宮市長:ご尽力に感謝いたします。今後はデイサービス型の産後ケア事業についても拡充していきたいと考えております。
佐藤病院長:当院も体制整備を進め、受け入れられるよう調整を重ねていきます。
三宮市長:家庭の核家族化が進み、地域のつながりも希薄になる中で、孤独感や不安感を抱える妊婦・子育て世帯も少なくありません。安心して出産・子育てができる環境の整備を進めていくにあたって、周産期医療への期待が高まるところですが、多様な実態に対応する医療機関の実情や、取組みについて伺えますか。
佐藤病院長:近年の傾向として、社会的に高リスクな妊婦さんが増えています。妊婦健診を受けていない未受診の方、家族の支援が得られない方など、その事情は多岐に渡ります。こうした多様な実態に対応するため、当院では医師を中心に多職種で構成されたチームを組み、サポートを行っています。産科と婦人科を分けず、産婦人科の医師全員が関与しています。
周産期医療には、妊娠から出産、子育てと切れ目のないサポートが必要です。市の関係課と定期的なカンファレンス(会議)を実施することで、妊婦さんとの良好なコミュニケーションが図れ、サポート体制の構築につながっているため、私たちとしても大変感謝しています。
三宮市長:引き続き、市と病院間での連携を密にとり、強固かつ、切れ目のないサポート体制を敷いていければと思います。
◇安心して暮らせるまちを目指して
三宮市長:貴院には、感染症対応や救急対応、子育てなど、多岐にわたるご協力をいただいております。私個人としても、市民の日常生活における「安心」には、医療の充実が大きな要素であると感じています。
今後も貴院の発展をお祈りするとともに、市民の皆様が暮らしやすいまちづくりを進めるため、引き続きご協力をお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
佐藤病院長:この度は貴重な機会をありがとうございました。
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