写真(※表紙参照)は宮代台の一角に開店した駄菓子屋「ふさや」。午後3時をすぎると、子どもたちが次々にやってきます。今月の特集では、町内で「子どもたちが集まる場所」をつくり出している皆さんを紹介します。
町の中には公共施設にかぎらず、子どもたちが集まる場所があります。こうした場所では、いつもとは違う世界が広がり、時には、思ってもみなかった交流も生まれます。今月の特集は、地域でそんな取り組みをしている皆さんを紹介します。
■住宅街に登場した駄菓子屋さん
◇宮代台で駄菓子屋を開店する
「放課後駄菓子屋ふさや」は宮代台住宅地の南遊水池公園横で宍戸さん(上写真中央(※本紙参照))が開業しているお店です。4年前に屋台の移動販売からスタートし、2年前には「自宅から近い場所で駄菓子屋をやりたい」という希望を理解してくれた家主さんから店舗の一部を借りることになりました。
北海道出身の宍戸さんは子どもの頃、ひとりで留守番をすることが多く、そんな宍戸さんを気にかけて話し相手になってくれたのが近所に住むアパートの大家さん。その大家さんの名前から店の名を「ふさや」と名付けました。宍戸さんには自分自身もそんな存在になりたい、という思いがずっとありました。
◇口コミで子どもたちに広がった
現在、宍戸さんは木曜日の午後3時から5時まで店を開いています。「ふさや」の評判は口コミで子どもたちの間に広がりました。今ではすっかり、この地域の子どもたちの人気スポットです。
開店するとすぐに幼稚園が終わった子どもたちがお母さんと、その後には小学校低学年、高学年の子どもたちが順にやってきます。1つ10円、20円の商品ですが、「どれを買おうかな」10円玉と相談しながらの買い物は、子どもにとって緊張の一瞬です。宍戸さんがお金を数えます。「はい、ちょうどあります。ありがとう」その声で、子どもたちは笑顔になります。
◇子どもたちが集まる風景
子どもといっしょに買い物に来たお母さんは「毎週木曜日は、ここに来ると決めている」と話します。外にはイスもあり、集まったお母さん同士の話もはずみます。オセロゲームも置いてあります。子どもたちは、クジで当てたものを自慢し合います。
地域の人たちは子どもたちの様子を見て、ほほ笑みながら店の前を通り過ぎていきます。とても良い光景です。
■開設した私設図書館で子育てサロン
◇東粂原に「かしんだま文庫」を開設
野口さん(上写真左端(※本紙参照))が私設図書館「かしんだま文庫」を自宅に開設したのは平成26年。野口さんは小学校の教員をしていましたが、定年退職を機に、地域の子どもたちが気軽に本を読みに来る場所として、ここを開設しました。野口さんはこの思いを、ずっと持っていました。敷地内の使われていない建物を思いきってリフォームしました。
◇みんなが集まる場所として
「かしんだま文庫」では開設以来、毎週月曜日には地域の皆さんが集まって、ストレッチ体操も行っています。ひと間続きのスペースは集って体を動かすのに、ちょうどいい広さです。
その後、町からのすすめもあり、子育てサロンの会場として子育てグループに貸し出したり、建物の外で「子どもたちの居場所づくりのためのイベント」を開催しています。元職場の同僚である竹村さん(上写真右端)もサポートします。
◇子育てサロンにうってつけの場所
子育てサークル「すくすく」の渡辺さん(上写真前列中央(※本紙参照))は、「ここでは外遊びもできるし、野口さん、竹村さんが、ちょっとしたことでも助けてくれるので、とてもありがたいです」と話します。普段は公共施設や集会所など、いろいろな会場で活動しているそうですが、ここはとても気に入った場所だと話します。
▽「かしんだま」はカシの実。つまりどんぐりです。野口さんが名づけたように、ここは屋敷林に囲まれた最高の環境の中にあります。季節ごとの景色も変わります。
梅雨の晴れ間の一日、外ではセミが鳴き、子どもたちは夢中になって水遊びをします。「かしんだま文庫」はここでたくさんの思い出を作っているのだな、と感じました。
■地域の子育て活動を応援します
町は、地域の中に「場」をつくり、そこから生まれる交流や活動を子育て支援につなげていこう、という皆さんを応援しています。自分たちもやってみよう、という方はぜひ町にご相談ください。HPでは制度や活動の事例を紹介しています。
・身近な場所で子育てサロン事業記事
[ID…22018](※本紙二次元コード参照)
・地域のみんなでこどもたちの居場所づくり事業
[記事ID…22207](※本紙二次元コード参照)
問合せ:こども笑顔担当(1階8番窓口)
【電話】34・1111 内線324
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