市では、市民の知恵と力を生かした豊かな自治の実現のために、市政への市民参加を進め、市民と市が相互の信頼関係を築きながら協働によるまちづくりを行っていくことを目的に自治基本条例を制定しています。市民との協働を進める上で一番身近なコミュニティは「町会」です。町会は地域の支え合い、助け合いの重要な基盤であり、市民と行政をつなぐパイプ役を担っています。市内には55の町会があり、それぞれが豊かな住みよいまちづくりを目指して活動しています。
地域社会の課題が多様化している中、町会では防災や高齢者・子どもの見守りなどの防犯対策、居場所づくりなど、地域住民が世代を問わず交流できる場をつくるため、さまざまなイベントを開催することで、顔の見える関係を築き、人と人との絆きずなを育んでいます。
また、特に近年発生している大規模災害から命を守るためには、一人ひとりの防災意識や避難行動で自分自身の安全を守る「自助」とともに、地域の人たちが協力して助け合う「共助」も重要です。日ごろから防災活動にも力を入れている町会は身近な「共助」を担う大切な存在です。
そのほか、町会単体では解決が難しい地域課題には、町会を中心に、各種団体や企業などとともに地域まちづくり協議会を設立し、課題解決に取り組んでいます。
一方で、人口減少と少子高齢化が進む中、ライフスタイルの変化などにより、全国的にも地域のつながりが薄れてきているのが現状です。市内の町会加入率も年々減少傾向にあり、町会全体の加入率平均は約60%程度にとどまり、転出入で世帯の流動が多い地域などでは加入率が低迷しています。そうした中、担い手不足による町会役員の高齢化が進み、次世代の人材不足が大きな課題となっており、地域コミュニティの存続への対応が課題となっています。
地域のあたたかさを次世代に引き継ぎ、自分の住むまちをよりよくするための一歩を、町会活動への参加から始めてみませんか。
■町会が抱える課題
◇(1)加入率の低下
◇(2)役員の高齢化
町会長・副町会長の平均年齢:69.7歳
(令和4年度末時点)
■町会の主な活動
各町会では、住民同士のつながりの輪を広げ、地域を元気にするさまざまな取組みが行われています。
◇安心・安全なまちづくり
防災訓練、自主防犯パトロール、子どもの登下校時の見守り活動など
◇生活環境の向上
資源回収、地域の美化活動、公園の花壇の管理など
◇情報提供など
広報『富士見』の配布や各種情報の回覧、募金活動への協力など
◇世代を超えた交流の創出
地域のお祭り、地区体育祭、敬老会、高齢者サロン、青少年健全育成活動など
このほかにも、母子保健推進員・スポーツ推進委員・民生委員などの地域で活動する各委員を町会から選出して、子育て支援や地域の安全など多岐にわたり、皆さんの生活を支える役割を担っています。
■INTERVIEW「イベントの参加で地域と関わるきっかけに」
富士見市町会長連合会では、「市と地域住民のパイプ役」として、市からの依頼事項への協力や、住民の安心安全なまちづくりを推進するため、それぞれの地域実情を考慮しながらとりまとめた意見などを市へ提言しています。
当連合会は、各町会の町会長と副町会長で組織していますが、各町会では、定年延長、少子高齢化などの社会情勢の変化により、役員の確保や市からの委嘱委員選任依頼への対応などに苦慮しており、人材不足が大きな課題となっています。
今年1月に発生した能登半島地震による被災地の状況を報道で知ったときは、災害時における町会の役割、住民同士の絆の大切さをあらためて実感しました。
今後の町会運営にあたっては、イベント開催のポスターのデザインや掲示場所、回覧などの周知方法や、小学校・PTAとの共同開催の検討など、若い方々がイベントに参加しやすい環境を整え、さまざまな年代の住民がふれあう機会を作ることで、町会活動に協力してもらえるきっかけになればいいなと思います。
富士見市町会長連合会 会長 山本 昇一さん(鶴瀬西3丁目西町会 町会長)
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