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【特集】共に咲く未来へ 笑顔の花をはぐくむ富士見特別支援学校(3)

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埼玉県富士見市

■富士見特別支援学校に通う児童生徒の保護者インタビュー
子どもの幸せ=私たちの幸せ(1)

◆支えてくれる先生方に感謝

○特別支援学校を選んだ理由は
前園:私はふじみ野市在住のため県立の支援学校の選択肢もありましたが、学校説明会での校長先生の人柄に惹かれ、富士見特別支援学校を希望しました。なかなか入れないと聞いていましたが、無事入学できて良かったです。現在、小学部2年生になります。
重見:子どもが年長クラスのときに県外から富士見市に引っ越してきました。富士見市のことは知らなかったのですが、富士見特別支援学校を知り、この学校で育ってほしいと思いました。現在、中学部2年生になりますが、以前に住んでいたまちと比べて、富士見市は福祉が充実しており、住んで良かったと思っています。
砂川:小学6年生までは支援学級に通っていましたが、本人の希望もあって中学入学時にこの学校に通うことになり、中学部3年生になりました。この学校は、進路にも力を入れられていて、保護者勉強会を開催するなど親へのサポートも手厚くて、すごく心強いです。

○お子さんに変化はありましたか
重見:年中クラスまで普通の保育園に入っていましたが、明らかに周りの子とは違うと感じました。また、子どもは体調が悪くなるなどの反応が現れ、生きづらさを感じとりました。みずほ学園や特別支援学校では、すくすく育ってくれています。学校に行きたくないと言うこともなく、自ら学校での出来事を伝えてくれるときもあり、前向きに幸せな時間を過ごしています。
砂川:うちの子にはどうしても譲れないこだわりがあり、日々とてつもない生きづらさを感じながら生活していました。この学校は、子のこだわりを理解し、自主性を大切にしてくれます。子どもにとってそれが大きな自信につながり、今は親子ともに気持ちが楽になりました。先生方にはとても感謝しています。
前園:去年の秋ごろから学校でトイレトレーニングを始めて、今ではだいぶうまくいくようになりました。これまではうまくいかず諦めかけていましたが、ごみを捨てるときのオムツの量の少なさに成果を実感しています。

◆子どもの成長と地域のあたたかさに感動

○お子さんの成長を感じた出来事は
砂川:毎年母の日は、学校で作ったプレゼントをバッグの中に放置しているので、私が勝手に発見しては喜んでいました。母の日は、私に感謝する日なんだよって、自分で説明するのも変なので、理解してくれるときがくるといいなとだけ思っていましたが、今年は学校で作ったカードを「いつもありがとう」と、はにかみながらプレゼントしてくれて、とてもうれしかったです。
前園:特別支援学校の給食はおいしいようで、家では食べないものまで完食しています。好きなものを食べて幸せを感じてもらいたいと思う一方、偏食には悩みを抱えていました。学校と同じものを家でも作ってみると、食のバリエーションが増えていきました。家では食べたことがないものまで食べているので、成長したなと感じます。今度、給食試食会があるので楽しみです。
重見:最近では、靴ひもを自分で結べるようになっていて、家では教えたことがないので学校の先生が教えてくれたのだと思います。生活に必要なこと、根気よくやらないと身に付かないこともしっかりと見てくれていると感じます。成長していくわが子に感動するとともに、学校に感謝しています。

○子育てにあたって、地域とのつながりを感じますか
砂川:朝、スクールバスを待っている間、近くの介護ステーションのヘルパーの皆さんが明るく声を掛けてくれます。バスに乗りたくないという事情を抱えた子どもにとって癒しのひとときになっており、心があたたかくなりました。
重見:5年ほど前、自宅で少し目を離した隙に子どもが行方不明になったことがありました。近所のコンビニエンスストアで発見したのですが、店員さんが4時間ぐらい子どもを見てくれていて、食べ物もごちそうになっていました。次から、なにかあったらすぐに連絡しますねと言ってくださり、今でもお店に行くとあいさつをしてくれます。また、子どもが私の伴走でFujimiシティマラソンを走ったときには、たくさんの方から応援していただき、うれしかったですし、子どもの自信にもなりました。参加してよいものか申込時に相談したところ、ぜひ出てくださいと言ってもらえ、こういう場に、私たちもどんどん参加していいのだと感じました。

◆子ども本人の気持ちを最優先に

○入学前の保護者へのアドバイスを
前園:支援学級とは、子どもに対する手厚さが違うと思います。今後インクルーシブ教育も進んでいくとは思いますが、支援学級か支援学校かで迷われているのであれば、現状では支援学校がいいのではないかと私は思います。
砂川:以前にインクルーシブ教育がうまくいった事例を紹介したテレビ番組を観ました。同じクラスの友達が障がいのある子に関わる中で、こうした場合はどうしたらいいのだろうと考える機会になり、お互いの成長にとって、それは本当に素晴らしいことでした。私も、お互いを理解し合える社会になることを望んでいます。実際、小学校では支援学級ならではの良さがありました。しかしながら一番大事にしなければならないのは、なによりも子どもの気持ちだと思っています。本人がつらい思いをしないためにも、保護者の方には、よく考えて決断してほしいと思います。
重見:うちの子の状態では、子どもが一番幸せに過ごせるのは支援学校がベストな選択だと分かりきっていました。それでも、もしかしたらほかの子と同じようにできる可能性があるのかもしれない、支援学校に行かせたら子どもの可能性を閉ざしてしまうのではないかとすごく悩みました。私は、子どものことを隠すことなく周りに話しているのですが、「実はうちの子も」と相談を受けることがあります。うちの場合は答えが分かっていたのに葛藤に苦しんでいましたから、ちょうど中間的な位置の方だと本当に悩む気持ちが分かります。親目線ではなく、子どもが生きやすいのはどちらなのかで決めるしかないとアドバイスしています。

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