埼玉県では、ケアラーが孤立しない社会の実現を目指して、ケアラーの周知やさまざまな支援を行っています。今月は、ケアラーについて学ぶとともに、ケアラーをサポートする、市の支援団体を紹介します。
■ケアラーとは
ケアが必要な家族や身近な人の介護、看病、療育、世話などを無償でケアする人のことをいい、主に次のようなサポートをしている人をいいます。
・介護
仕事を辞めてひとりで親の介護をしている。
・看病
仕事と看病で精一杯となり、ほかに何もできない。
・療育
障がいを持つ子どもを育てている。
・世話
目が離せない家族の見守りなどのケアをしている。
■ケアラーの実態
県では、令和7年までに、75歳以上の後期高齢者人口が著しく増加することが見込まれており、それに伴い介護が必要となる人やそのサポートをするケアラーの増加が予想されています。
県のケアラー実態調査では、ケアラーがケアしている頻度は毎日という回答が最も多く、ケアの内容として「家事」が83.8%、「通院の援助」が78.6%となっています。
ケアラーは仕事との両立や自分の時間が取れないなどさまざまな負担があるにも関わらず、社会的に十分に理解されているとは言えず、悩みを抱えたまま生活している人が多くいます。
ケアをしている頻度
*埼玉県ケアラー実態調査毎日69.9%(令和2年度実施/地域包括支援センター対象)
ケアの内容(複数回答可)
*埼玉県ケアラー実態調査(令和2年度実施/地域包括支援センター対象)
■ケアラーをサポートする支援団体
社会福祉協議会は、地域福祉を推進する中核的な団体として、「誰もが安心して暮らすことができる福祉のまちづくり」を進めるため、介護者からの相談を受け、適切なサービスや施設の紹介を行っています。
■家族介護者交流事業
市では、社会福祉協議会と連携して家族介護者交流事業を実施しています。
この事業は、在宅で高齢者を介護している家族のために、介護に関する情報の提供や介護者同士の交流を図り、リフレッシュする場を提供しています。
□参加者の声
・話すだけで心が軽くなった(50代女性)
高齢者あんしん相談センターに勧められて参加しました。一人で参加したので不安もありましたが、身近にも私と同じように介護をしている仲間がいることを知り、安心と勇気をもらいました。また、参加者同士で介護に関する情報交換をする場もあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。
・介護サービスに関する知識が深まった(50代男性)
自身のリフレッシュのために母を家に一人にして出かけることに心苦しく感じていました。しかし、介護者交流事業を知り、母からも「行ってきたら?」との後押しで、参加を決めました。講座では介護の息抜きの重要性とさまざまなサービスの存在を知ることができたので、今後活用していきたいと思います。
■悩まずにご相談ください
介護者の多くは日々の介護に追われ、相談できる環境が少ないために介護の悩みを一人で抱え込んでしまう傾向にあります。息が詰まる状況が続くと、介護者のストレスは想像以上となり、一人で対処することは難しくなります。
介護者同士の仲間を作ることにより、「大変なのは自分だけじゃない」という認識の共有やリフレッシュにつながればと思います。
家族介護者交流事業は、デイサービスを利用している間に介護者が参加できるよう、日中の早い時間に開催していますので、お気軽にご参加ください。
■いざという時の介護と介護サービスの選び方
市では、ケアラーズサロン輝(かがやき)、高齢者あんしん相談センター館・幸町、SOMPOケアラヴィーレの協力のもと、介護が必要となった際の手続きや介護サービスの選び方について講演会を開催します。
ケアラーズサロン輝について詳しくは、本紙5ページをご確認ください。
とき:11月24日(金)13時30分~15時
ところ:柳瀬川図書館
定員:50人(先着順)
申込み:11月10日(金)から電話または直接、柳瀬川図書館へ【電話】048-487-2004
*受付:9時30分~17時
問合せ:
・ケアラーに関すること
長寿応援課【電話】048-473-1395
・ヤングケアラーに関すること
子ども家庭総合支援室(子ども支援課内)【電話】048-456-5362
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