市では、生涯にわたり健康的な生活ができるよう、発達段階にある小学校期の「足」に焦点を当てた「志木っ子元気!子どもの健康づくりプロジェクト」や健康寿命の延伸と医療費の抑制を目的とした「健康寿命のばしマッスルプロジェクト」に取り組んでいます。
今月は、2つのプロジェクトの取り組みについてお知らせします。
■「志木っ子元気!子どもの健康づくりプロジェクト」とは
足部機能や足部骨格の発達の観点から、人生の中で最も重要な時期を迎える小学校期の「足」に着目し、足の筋力や形状を計測することで、身長や体重の計測と同様に見える化を図り、子どもの体力や身体機能の発達を支援することを目的としたプロジェクトです。
■足部(かかとからつま先)の重要性
子どもの足部の骨は柔らかい骨で構成されており、およそ20歳までに大人の硬い骨として完成するため、小学校期の扁平足(へんぺいそく)、外反母趾(ぼし)、巻き爪、深爪などは足部の発達に大きな影響を及ぼします。足部の発達を正しく促すためには、足の筋力や骨格を計測し、足爪や足指を観察するなど、足部の状態の把握が重要です。
■かかとの骨格と足圧分布
かかとの形状と足圧のかかり方は、足の疲れやすさに影響し、外反母趾や変形性関節症の原因となります。
歩行の際にはかかとから接地するため、かかとの面積が小さいと接地時の圧力を分散できず、かかとに痛みが出る可能性があります。また、足のサイズより大きい靴を履いている場合、靴との間に隙間が生じ、足の固定がしっかりできず、歩行時に前後左右にずれてしまい、結果的にかかとの骨が曲がってしまうことがあります。
さらに、かかとの骨が外側に曲がっていると、足部の関節自体が柔らかくなり、土踏まずの衝撃吸収能力が小さくなるため、かかとの骨格形成がとても重要です。
土踏まずの足圧が高い状態(扁平足)の場合、くるぶしが内側に動き、靴の形状が変わり(本紙2面写真)、外反母趾などの原因となります。
足の計測事項:
・かかとの骨格
まっすぐなかかと/外側へ曲がるかかと
・足圧分布
正常な足圧/扁平足/ハイアーチ/かかと(小)
■令和5年度計測会結果報告
市では、健康的な足部づくりを目的として、小学生を対象とした足部の計測会を実施するとともに、小学生や保護者を対象とした結果説明会を実施しています。
令和5年度は市内小学校の3・4年生を対象に計測会を実施し、1,383人の児童が参加しました。
下記のグラフは、膝下の筋力を計測した、足指力の平均値を示しています。男女とも平均値では基準値を超えていますが、約20%の児童が基準値に達していないこともわかりました。
■足部の発達に有効なインソールを用いた支援
足圧分布で扁平足の傾向が見られる、土踏まずの柔軟性が低いなどの児童を対象に、インソールを用いた支援をしています。
インソールを靴に入れることにより、足裏のアーチを支え、運動するときに使用する筋肉を正しく使えるようになるため、足部の発達に有効だと考えられています。
適切な足部ケアを取り入れることにより、足部の機能を向上させましょう。対象となる児童には、各小学校を通して通知しています。
■健やかな身体を育むために
健やかな身体を育むためには、日頃の運動や食生活、適切なフットケアは欠かせません。そのため、保護者が足部の発達に関することや靴の選び方、足爪の正しい切り方を知り、子どもの足部の変形予防や健康な足部の発達につなげることが大切です。下記の靴選びと足爪の切り方のポイントを参考に実践してみましょう。
□靴選びのポイント
・大きすぎず、小さすぎず足のサイズに合った靴
・足が前後に動かない・甲の高さが調整できる、ヒモやマジックテープがおすすめ
(×スリッポンタイプなど)
・靴底が指の付け根で曲がる
(○付け根部分のみ曲がる ×全体が曲がる)
・かかとがしっかり支えられている
(○押してもつぶれない ×押すとつぶれる)
□足爪の切り方のポイント
○指の形に切る…爪は指先まで。両端のとがっている部分は、ヤスリで外から内へ削る。
×バイアス切り…爪の両端を切るのは巻き爪の原因になる。
×深爪…爪があることで、指先が守られる。
問合せ:健康政策課
【電話】048-473-1674
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