◆106 市史のささやきvol.18
風薫る5月、ユリノキ通りや庄和総合公園では、チューリップのような形をしてオレンジ色の斑紋(はんもん)をもつ黄緑色をしたユリノキの花が咲く季節を迎えます。
ユリノキは、モクレン科ユリノキ属に属する被子(ひし)植物(雄雌同株の落葉樹)です。
化石資料などから、ユリノキは、恐竜が生息していた白亜紀(はくあき)という時代に出現し、その後栄えた植物であることが知られています。日本においても化石が発見されていますが、現在では、日本をはじめとするほとんどの国で自生種は絶滅しています。
日本を含む世界各地で植栽されている現在のユリノキは、北米東部原産のものに由来します。このように地質学上の太古の時代に繁栄していた植物が、何らかの形で現代まで細々と生き抜いている植物は、「生きている化石植物」と呼ばれています。
ユリノキの他には、イチョウやメタセコイア、カヤ、コウヤマキ、スズカケノキ(プラタナス)などの樹木も「生きている化石植物」と呼ばれています。
どの植物も公園や寺社などで植えられており、皆さんの身近にある植物ですので、折に触れ、市内に生息する化石植物を探してみてはいかがでしょうか。
○今回の今昔絵巻の内容も掲載
『春日部市史 自然誌編』
市域の土地の成り立ち、河川の移り変わり、気象観測や自然災害の記録などを編さんした新たな春日部市史を刊行しました。
日にち:5/1(水)から頒布開始
価格:1冊3千円
購入できる場所:市役所4階文化財課・3階市政情報課、庄和総合支所2階総務担当、郷土資料館、道の駅「庄和」、ぷらっとかすかべ
※市立図書館に配架あり
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