■花だより
門倉緑地係長
清明(せいめい)…生き物が清らかに生き生きするころ。空がすがすがしく明るい様子。
春が近づくと桜前線のニュースに注目が集まりますね。
温暖化の影響なのか開花が早まっているようで、最近は入学式には葉桜なんてことも多いようです。園内は望月川をメインにサクラが植えられており、ほとんどがソメイヨシノですが、白いオオシマザクラや日本古来のヤマザクラもあるので探してみてくださいね。
ツボミの頃は鮮やかなピンク色で、花が咲き始めると白くなり、満開を迎え咲き進むと今度は花弁の基部が、紅をさしたように赤く染まってきます。これは、植物が合成するアントシアニンという色素のなせる技のようです。開花後に低温が続くと赤みが強くなるそうですが、今年はどうでしょうか?
とかく花盛りにスポットが当たるサクラですが、花びらが落水して筏(いかだ)のように流れる「花筏(はないかだ)」、花がもっと進んで蕊(しべ)が落ちる様を「桜蕊(さくらしべ)降る」とサクラの様々な時を言い表すことばがあることに驚きます。俳句は詠みませんが、素敵な季語ですね。
サクラを仰ぎ見過ぎて首が疲れたら、コバトンロード入口下のシャガも見てくださいね。
ソメイヨシノ:エドヒガンとオオシマザクラを掛け合わせた栽培品種で、クローンとして全国に広まった。江戸時代にサクラの名所「吉野山」から名前をもらって吉野桜として売り出したが、紛らわしいので生産地の染井村から染井吉野(ソメイヨシノ)と名をつけたとか。
ヤマザクラ:昔からあるサクラで、平安貴族に詠まれたサクラは、みんなヤマザクラ。花と一緒に赤みを帯びた葉を出すので、分かりやすい。
シャガ:アヤメ科アヤメ属の多年草。中国原産でかなり昔に日本に入ってきた帰化植物。
※5月号は動物Z00鑑です。
埼玉県こども動物自然公園
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【電話】35-1234【FAX】35-0248
開園時間等はホームページをご確認ください。
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