横瀬町長
富田 能成(よしなり)
■人口減少対策、粘り強く継続していきます
民間の有識者団体「人口戦略会議」が、国立社会保障・人口問題研究所の推計をもとに、若年女性の減少率が一定割合以上の自治体を、将来にわたって持続するのが難しい「消滅可能性都市」と表現して、大きな話題になったのが10年前。その人口戦略会議が同様の手法で、2050年までに若年女性人口が半数以下になると推計される自治体を「消滅可能性自治体」として、今年の4月に発表しました。全国の自治体の約4割、744の自治体が、改めて「消滅可能性自治体」とくくられました。横瀬町は、秩父郡市の市町とともに、「消滅可能性自治体」に入っていましたが、10年前の推計よりも、若年女性の減少率は8.7%改善していました。
この「消滅可能性~」という言葉、一つの観点から、ばっさりと白黒分けられて、こう表現されてしまうあたり、”いささか乱暴すぎる”など、行政関係者からの批判もよく聞きますが、私としては、日本の地方行政運営に(いい意味での)危機感を持たせて地方創生の流れにつながったことなどは評価されてしかるべきと考えています。
横瀬町は、この危機感を正面から受け止めていて、「横瀬町(消滅可能性自治体)の未来を変えること」を主たる課題として行政運営しています。2016年に人口ビジョンを作成し、そのまま人口減少が進行してしまう「趨勢人口」に対して、人口減少を抑制する目標値としての「戦略人口」を設定し、総合的な人口減少対策を実施してきています。現在の住民票に基づく人口は、7629人(9月1日時点)ですが、2025年時点の、何もしなかった場合の趨勢人口は7012人、目標値である戦略人口は7414人、ここまでは、なんとか「戦略人口(=目標値)」を上回る水準で踏ん張っているといえます。さて、問題はここから。ここから先は、高齢化と少子化が更に厳しくなる”踏ん張りどころ”を迎えます。人口減少問題に特効薬はありません。粘り強く、継続していくことが肝要です。ここまで積み上げてきた施策を、更に発展させていきたいと考えます、はちまき締め直してがんばっていきましょう!
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