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自治体の皆さまへ

認知症になっても自分らしく!(2)

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埼玉県毛呂山町

■『認知症は誰でもかかる可能性のある
身近な脳の病気です。』
丸木記念福祉メディカルセンター
認知症疾患医療センター 相談員 福島 雄大 さん

◇福島さん、認知症とはどんな病気ですか?
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために様々な障害が起こり、日常生活や社会生活をするうえで支障が出ている状態を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのは、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体病などがこの「変性疾患」にあたります。続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう血管性認知症です。
脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が、物忘れに代表される記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下など中核症状と呼ばれるものです。これらの中核症状のため周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。本人が元来持っている性格、環境、人間関係など様々な要因が絡み合って、うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。これらを行動・心理症状と呼びます。

◇認知症を予防するにはどうすればいいですか?
厚生労働省が令和元年6月に公表した「認知症施策推進大綱」では、認知症の「予防」とは、認知症にならないという意味ではなく、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするという意味であると定義されています。
認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症や血管性認知症は、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)との関連があるとされています。例えば、バランスの良い食事を心がけたり、定期的な運動習慣を身に付けたりと、普段からの生活管理が認知症のリスクを下げると考えられています。
また、認知症の発症には、対人的な接触頻度も大きくかかわっていると考えられています。閉じこもりがちな生活をやめて、周囲の人と声をかけあって地域活動や趣味活動、地域のサロンやオレンジカフェに参加するなど、活動的なライフスタイルが大切です。

◇認知症になったら、周囲はどのようなサポートをすれば良いですか?
忘れてしまうことや、今までできていたことができなくなってしまうことに対して、一番不安を感じているのはご本人です。認知症の人の反応は、私たちの表情や反応を映し出す鏡といわれています。常に相手の気持ちを察して、落ち着いて笑顔で本人が安心できる対応を心がけることで、認知症の人の行動や気持ちも落ち着いてきます。認知症だからといって何も分からないわけでも、何もできないわけでもありません。本人ができることに目を向けて支援をしていくことが大切です。
町内で実施されているゆずっこ元気体操や住民サロン、オレンジカフェ等への参加をサポートしてあげるのもいいでしょう。また、家族だけで問題を抱え込まずに適切に介護保険サービス等を利用することが大切です。

◇ご家族や、地域の人へメッセージをお願いします。
認知症は誰でもかかる可能性のある身近な脳の病気です。
認知症は早期発見・早期治療が重要な病気です。早期に治療が開始できれば、認知症の進行を遅らせることができます。新たに認可されたアルツハイマー病の新薬もごく早期の段階でなければ効果を得られません。
もし、認知症になったとしても自分らしく生きていくことはできるのです。まずは、誰もが当事者意識を持って、しっかりと認知症のことを正しく理解することから始めましょう。

◇福島さんが、伝えたいことがあればどうぞ♪
認知症は国民病です。少しでも心配なことがあれば地域包括支援センターや認知症疾患医療センターまでお気軽にご相談ください。

問合せ:
毛呂山町地域包括支援センター【電話】295-2112(内線125・128)
認知症疾患医療センター【電話】276-1486

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