■狭山茶が地域と学生をつなぐ狭山工業生の作る狭紅茶
県立狭山工業高校では6年前から授業の一環として電子機械科の3年生が狭山茶を使った紅茶作りに挑戦しています。同校の通称である“狭工”と“紅茶”を掛け合わせてネーミングした「狭紅茶」。自作した萎凋機や発酵機が使われるなど、工業高校ならではの製造過程が特徴です。お茶を作って売る、その中で得られたものとは一体何なのでしょうか。
◇地域の人の温かさに触れて狭山のことが大好きになりました
私は主に茶葉を発酵する作業を担当しています。紅茶は、発酵する時間や温度の微妙な違いで出来上がりが大きく変わります。何をどう調整したらいいのか、最初は何も分からずやっていたのですが、失敗と成功を繰り返しながら徐々に色や香りが良いものを作れるようになりました。工業高校の学生としてものづくりに本気になって取り組めたことは、本当に良い経験になりました。
また、地域の人たちと交流する機会をたくさん得られたこともこの授業の魅力の一つでした。マルシェなどに出店した際には、来場した方へ試飲用の紅茶を渡すと「ありがとう!」と言ってもらえたり、お返しにお菓子をもらったり、人の温かさに触れることができました。
それまで学生生活をただ漫然と過ごしていた私が、この授業でいろいろな人に関わったことで、これまで気付いていなかった市の魅力や狭山茶のおいしさを知ることができ、狭山のことがとても好きになりました。
(狭山工業高校3年 大久保空(そら)さん)
◇いろいろな人とつながって学生も日々成長しています
狭山工業高校は近年定員割れが続いている学校です。受験を考えている学生に、少しでも学校の魅力を感じてもらえるものはないかと教員間で検討を重ねた末に、地域の資源である狭山茶を使った、ものづくりに挑戦しようと考えました。一人でスマホを眺めて過ごす時間が長くなりがちな今の学生たちが、授業を通じて多くの人と話したり、物を販売したりすることは何事にも代えがたい経験になっていると思います。座学では物静かであまり発言をしないような学生でも、イベントで試飲の紅茶を配る際に、どうしたら受け取ってもらえるか、表情や説明する内容を変えて工夫している様子を見ると、成長を実感しますね。今後、この授業はさらに規模を拡大し、近隣の県立高校4校と連携して、茶殻の肥料としての活用やスイーツの開発などに取り組んでいきます。これから社会に出ていく学生たちが、狭紅茶を通じて他の学校の生徒や地域の大人たちとつながっていくことで、いろいろな人とのコミュニケーションの取り方を学んでいってもらえればと思います。
(担当教諭 原嶌茂樹さん)
1.地元の子どもたちと一緒に出来上がった茶葉をパック詰め
2.マルシェに出店して紅茶を販売
3.キリンビバレッジ(株)の社員の方を高校へ招き、おいしい紅茶の入れ方講座を受講
4.自作した機械で茶葉を発酵させる様子。その日の気温や湿度によって設定を微妙に変える
5.イギリスで開催された「The Leafies 2023」に狭紅茶を出品し「THE FUTURE OF TEA」を受賞
※詳しくは本紙をご参照ください
■狭山茶2.0キャンペーン
市内のお茶屋さんに「広報さやま11月号を読んだよ!」と伝えると、急須がなくてもペットボトルに装着するだけでお茶を楽しめる「chattea(チャッティー)」をプレゼント!
※実施店舗は市公式ホームページで確認。景品が無くなり次第終了
〇清風園
水野483
【電話】2959-3055
〇かにや入間川創業店
入間川3-16-19
【電話】2954-0141
〇茶の一茶 狭山スカイテラス店
入間川1-3-2
【電話】2954-8413
〇宮野園
北入曽25-2
【電話】2959-3025
〇SAYA Market and Cafe
入間川1-3-1 狭山市市民交流センター1階
【電話】2937-3629
お茶香るまち、さやま。
昔からの狭山茶のおいしさを守りつつ、そのおいしさを知ってもらうために、茶業者をはじめとした多くの方々が新たな風を吹かせようと努力を続けています。
いつでも、どこでも、どんな形でも、気軽に狭山茶を味わってほしい。それが狭山市を愛する皆さんをつなぐひとつのきっかけになりますように。
#狭山茶2.0
問合せ:農業振興課へ
【電話】2937-7543
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